【今月の掲示板】
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“除夜の鐘”
もう年の瀬かと思われる方も多いのではないでしょうか。先日、清水寺で発表される「今年の漢字」一文字が公募されていたので、私は「異」という漢字を出してみました。普段と異なる日常、異例のオリンピック・パラリンピック無観客などから連想したのですが、もう少し前向きな漢字が選ばれてもいいかもしれませんね。皆様にとってはどのような一年だったでしょうか。
さて12月というと8日の成道会(お釈迦様のお悟りをお祝いする日)がありますが、去年のお便り(→コチラ)でお話ししましたので、今号はもう一つの行事である「除夜の鐘」について書いてみたいと思います。
「除夜」というのは大晦日のことで、「除く」とあるように旧年を取り除いて新たな年に向かおうとする意味が含まれています。ですから除夜の鐘にも悪いものを払い除ける目的があるのです。それは煩悩であったり邪気であったりします。もともと鐘の音には時間を知らせる役割だけでなく、浄化の作用もあると言われているので、特に大晦日は新年を迎える意味合いから鐘つきが大切にされているのです。
この鐘をつく回数はお寺によって異なりますが「108」回が多いようです。108といえば「百八煩悩」ともいうように煩悩の数とされます。この108という数字の由来については諸説あり詳細は省きますが、代表的な煩悩を挙げてみたいと思います。
貪(とん/むさぼり)、瞋(しん/怒り・憎しみ)、痴(ち/真理を知らない)の三大(三毒)煩悩です。簡潔に言うと、貪は欲しい欲しいと思う人間の心、瞋は嫌だ嫌だと思う人間の心です。私たちは好きか嫌いかで物事を判断することが多く、好きなものは欲しい、捨てたくない、ずっと続いてほしい、逆に嫌いなものに関しては、嫌だ、手放したい、遭遇したくない、と考えることでしょう。つまり、好都合=貪、不都合=瞋が働いているといえます。これらは全て自分の都合であり、思い通りにいくことは多くはありませんので、結果的に苦しみを生んでしまいます。そして都合により判断をしてしまう根源的な原因が痴なのです。仏教の真理を知り、教えに従えば自分の都合だけで感情が左右されることも自ずと減っていくのです。
また宗祖一遍上人は「三毒は三業の中には、意地具足の煩悩なり」と説かれ、貪瞋痴の三毒煩悩は自己都合の執着から離れられない心だと示されています。これを取り除く唯一の道は、「南無阿弥陀仏」の名号を唱え、阿弥陀仏に全てをお任せすることであるとも説かれました。
何かとせわしない暮れの日々ですが、心新たに新年を迎えたいものです。 合掌
花のような雪や結晶を雪花と言います❄️
お庭にあるサザンカをモチーフにしています。
12月8日はお釈迦様のお悟りの日とされ、それをお祝いする法要は成道会と呼ばれます。
また私たちにお念仏の教えを説いてくださったお釈迦様の恩徳に感謝する日でもあります。
青緑色のキラキラした和紙を使用しています。
和歌は宗尊親王作で「命とは 思ひも知らで 人ごとに はかなく急ぐ 年の暮れかな(命はいつまであるか分からないのに、人々は年の瀬の忙しさに追われていることよ)」です。除夜の鐘と和ロウソクをハンコにしています。
京野菜の聖護院大根、エビ芋とコタツのキツネを押しています。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。
【次回の写経会は12月25日です(緊急事態宣言が京都府下に出ている場合は中止)】
*写経会の詳細は こちらから
>「京都時宗道場御朱印巡り」
年間行事予定(令和3年)
・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり(令和2年10月より)
・毎月第4土曜日14時~17時…写経会(令和2年7月より)
・日時未定…総代会
・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)
・9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)