【今月の掲示板】
「情けは人の為ならず 巡り巡って己がため」
“浄土を築く”
今号で毎月のお便りも100号となりました。いつも拙文にお付き合いいただいている皆様、誠にありがとうございます。頂く応援のお言葉を励みに今後とも精進してまいります。
さて、今年の秋のお彼岸は20日~26日の1週間です。お彼岸は太陽が真西に沈んで行くことから、西方極楽浄土に想いをはせ、亡き人々を供養し、自らも極楽往生を願うという意味合いがあります。
この極楽浄土の「浄土」とは、「清浄国土」の略であり、仏(如来)は皆それぞれ自分の浄土を持っておられます。浄土の役割は、生きとし生ける衆生を教化し、救済するためにあります。極楽浄土の他には釈迦如来の霊山浄土、薬師如来の浄瑠璃浄土、大日如来の密厳浄土などが知られます。
また、菩薩として浄土を持っておられる方が観音菩薩(観自在菩薩・観世音菩薩)です。観音様の浄土は南方の海上にある「補陀落浄土」とされます。菩薩とは仏道修行中の立場で、最終目標は仏(如来)になることです。ただし観音菩薩は如来となるための修行は成就しているものの、衆生に近い立場で居続けるために、あえて菩薩にとどまっているともいわれます。それほどにありがたい菩薩様ということです。
『法華経』の中に観音菩薩の功徳を讃える一節(『観音経』とも呼ばれる)があり、そこに「具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼」とあります。意味は「観音菩薩は一切の功徳を具えており、常に慈悲の眼を私たちに向けられている。その福徳は大海のように無量である。それ故に私たちは観音菩薩を敬礼すべきなのである。」です。
観音様は別格の存在ではありますが、私たちも仏道を歩む同じ菩薩として見習うべき存在でもあります。言うなれば理想の上司というところでしょうか。特に、「観ること自在」というお名前の通り、相手をよく観察して利益を授ける、慈悲の眼をもって困っている人や、悩んでいる人に接するというお力は、私たちの理想の在り方でもあります。
観音様の威徳を敬い、時に困っている人がいれば、自らが観音様の代行を担いその人を助けようとする姿勢こそ、まさに仏道にかなうものでしょう。そして、そのような人があふれる世界こそ浄土に他ならないのだと思います。
合掌
令和4年9月限定御朱印(片袖の弥陀・300円)
当山の御本尊である阿弥陀如来像は、右袖が垂れていないので「片袖の弥陀」とも言われます。
今月は、境内の萩と中秋の名月をモチーフにしています。
令和4年9月限定御朱印(福聚海・800円)
モチーフは浄土と彼岸花です。『観音経』には「具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼」(観音菩薩は一切の功徳を具えており、常に慈悲の眼を私たちに向けられている。その福徳は大海のように無量である。それ故に私たちは観音菩薩を敬礼すべきなのである。)とあります。
令和4年9月限定御朱印(月見・宗尊親王和歌、柄付き和紙、見開き書置き800円)
「宗尊親王和歌シリーズ」です。親王像の絵は御奉納いただいたものを参考にしています。宗尊親王は当山の開基(創建者)です。史上初の皇族将軍として鎌倉幕府6代将軍に就き、その後更迭されるなど波乱に満ちたご生涯を過ごされました。和歌に非常に長けられ多くの作品を残されました。
「吹く風も 音をしづめて 久かたの 空澄かへる 秋の夜の月」
解釈:吹く風の音も静まり空が澄み渡っている秋の夜の月よ
写経奉納限定御朱印(500円・月替わり9 月)
トンボを捕まえたい猫と秋のフルーツです。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。
【9月の写経会は24(土)です】
*写経会の詳細は こちらから
年間行事予定(令和4年)
・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり
・毎月第4土曜日14時~17時…写経会
・1月9日…総代会
・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)
・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)
・9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)