【今月の掲示板】
“お釈迦様の子”
早いもので令和4年も半年が経ちました。6月といえばやはり「梅雨入り」でしょうか。私がお便りを書いている5月末は30度を超えた日もあり実感はできませんが、予報では近畿は4日に梅雨入りということです。寒暖差が激しいので体調管理にはくれぐれもお気を付けください。
さて、随分前になりますがお釈迦様の十大弟子と言われる「智慧第一」の舎利弗尊者、「多聞第一」の阿難尊者をご紹介しました。今回は羅睺羅(ラーフラ)尊者をご紹介したいと思います。
このお方、実はお釈迦様の実子です。お釈迦様は29歳の時に釈迦族の王子の立場を捨てて出家されましたが、この羅睺羅尊者はその直前に出来た子なのです。羅睺羅は原語ではラーフラであり、“障り”という意味があります。諸説ありますが、出家しようと考えていたお釈迦様にとっては子供の誕生は、ある意味“乗り越えるべき障害”であったとも言われています。
その後、お釈迦様は出家し、さとりを開かれて、故郷に戻られるには10年以上経ってからともいわれます。この久々の帰郷の際にラーフラは未成年の見習い僧として出家し、仏道修行の道を歩みだしました。一説には「跡継ぎのために財宝を下さい」とせがんだラーフラに対しお釈迦様は仏法こそが宝であるということから、ラーフラを出家させたという伝承もあります。教団に入ったラーフラは実子である故に、甘やかされたり、嫉妬されたり苦労したそうですが、やがて不言実行の「密行第一」と呼ばれるほど、細かな戒律を厳格に守り、尊敬を集めたといいます。
この羅睺羅尊者の木像が宇治市の黄檗宗大本山萬福寺に安置されています。この像は胸の中に仏様の顔が現れる姿をしています。顔が似ていないことを揶揄された羅睺羅尊者が「顔は似ていなくても心の中に仏様がいる」と胸を開いて見せたという伝承を表しています。身分制度の強いインドで生まれ身分を問われなかったお釈迦様の教えは、見事に受け継がれていたのです。
合掌
・令和4年月6限定御朱印(片袖の弥陀・300円
当山の御本尊である阿弥陀如来像は、右袖が垂れていないので「片袖の弥陀」とも言われます。
今月は、ホタルブクロをモチーフにしています。6月初旬でしたらお寺の庭に咲いていると思います。
・令和4年6月限定御朱印(天福・800円)
天福とは読んで字の如く、天から賜る幸福のことです。梅雨のこの季節、天の雨はまさに大地や生物を潤す恵みとなります。また法雨とはこの雨が仏法に例えられたもので、私たちも仏法の恵みにより心が潤うことをいいます。
令和4年6月限定御朱印(蛍 宗尊親王和歌、薄茶色柄付き和紙、見開き書置き800円)
「宗尊親王和歌シリーズ」です。親王像の絵は御奉納いただいたものを参考にしています。宗尊親王は当山の開基(創建者)です。史上初の皇族将軍として鎌倉幕府6代将軍に就き、その後更迭されるなど波乱に満ちたご生涯を過ごされました。和歌に非常に長けられ多くの作品を残されました。
「絶えだえに 飛ぶや蛍の 影見えて 窓閑(しず)かなる 夜半(よは)ぞ 涼しき」
(解釈:絶え絶えに飛んでいる蛍の光が窓辺に見えている。ただ静寂に包まれる夜更けが涼しいことよ)
写経奉納限定御朱印(500円・月替わり6 月)
カッパを着た猫と紫陽花です。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。
令和4年限定「勇猛精進」1000円
「勇猛精進(ゆうみょうしょうじん)」とは強く勇ましい志で努力することをいいます。
「一日の計は寅にあり」とは一日の計画・目標は朝に決めることが肝心だということわざです。
左上のハンコは丑年と同じく、中国の古代漢字の「寅」をモチーフにしています。
【6月の写経会は6/25(土)です(蔓延防止措置中であれば中止します)】
*写経会の詳細は こちらから
年間行事予定(令和4年)
・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり
・毎月第4土曜日14時~17時…写経会
・1月9日…総代会
・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)
・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)
・9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)