【今月の掲示板】
恩に報い 徳に謝す
12月8日はお釈迦様のおさとりを記念する日として知られています。
仏教を開き伝え、お念仏の教えを広められたことへの「報恩謝徳(恩徳に感謝し報いること)」の思いを致す日でもあります。
「福田寺だより」12月 79号(PDF)
“報恩と供養”
今年も様々な出来事がありましたが、やはり新型コロナウイルスによる苦境が本年の象徴と言えましょう。しかもこれは現在進行形であり、来年以降の予想もまるでつかない未曾有の事態となっています。危機に当たっては右往左往してしまうのが私たち凡夫です。
「とにかくに 心は迷ふものなれば 南無阿弥陀仏ぞ 西へゆく道 (宗祖一遍上人)」
阿弥陀様のみ光は私たちが行くべき道を常に照らしてくださいます。
さて、12月8日はお釈迦様がさとりを開かれた記念日として知られています。今日まで続く仏教を開き伝えられたこと、お念仏の教えを広められたことへの「報恩謝徳(恩徳に感謝し報いようとすること)」の思いを致す日でもあります。
お釈迦様はさとりを開かれるまで6年に及ぶ苦行をされていました。それは激しいもので、断食行に打ち込んだ体は骨と皮だけになってしまったといいます。しかし、この苦行では決してさとりを開くことができないと気付かれました。
苦行をやめ、ナイランジャナー河で身を清めたお釈迦様のもとにスジャータという村娘が偶然通りかかり、持っていた乳(ちち)粥(がゆ)を供養しました。これを食したお釈迦様は精気を養い、菩提樹の下で深い瞑想に入り、遂にさとりに至られたのです。ですからこのスジャータの供養には大変な功徳があるとお釈迦様自身が言われました。
ところでこの「供養」とはなんでしょう。日本では死者への弔いとして物品を捧げること、お経をあげることというイメージが強いかと思います。もともと供養とはサンスクリット語でプージャーといい、“仏や神々に対し尊敬、敬意の念をもって食物や香華灯明などを捧げること”の意味があります。ここから二種供養、三種供養と分ける考え方が生まれ、大まかにいえば物品を供える供養、修行や説法を行う供養、つまり物心両面の供養が説かれました。さらに供養は死者への弔い(追善供養)、鎮魂へと広がり、ひいては人形供養や針供養など生命以外への供養へと展開していったのです。
供養と似ている言葉に「布施」があり、こちらも施し与えることという意味あります。他者への施しもやはり物だけでなく心遣いも重要とされます。“してあげている”のではなく“させていただいている”という考え方が基本で、施していると同時に自身の修養をさせていただいているのです。同様に「供養」もお供えしていると同時に自らが養われているとも言えます。本堂やお墓で拝んでいると拝まれている気持ちになったという方は少なくないはずです。
大事なことは真心を持つことで、「供養」も「布施」も根底にあるのは“相手に喜んでもらうこと”かと思います。亡くなった方への追善供養というと難しく考えがちですが、「お経を読んでもらったら嬉しいかな」「私たちが幸せに生きているのが一番喜んでくれるかな」「恩返しがしたいな」などと想いを巡らせ実行することが身近な供養であり、そこに追善供養の意義があるかと思います。
合掌
【次回の写経会開催予定:12月26日午後2時より】
*写経会の詳細は こちらから
12月限定御朱印「成道:じょうどう」
御朱印のモチーフは、お釈迦様に村娘のスジャータが乳粥を供養している場面です。
中心の「法輪」は仏教のシンボルマークと言えるもので、車輪が転がる様に仏法が広がることを表しています
年間行事予定(令和2年)
・1月12日…総代会
・2月15日14時…🈠フラワーアレンジメント教室
【参加費1,000円、申込締切1/31、持物/花切はさみ(あれば)】
・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)
・第4土曜日14時~17時…写経会(令和2年7月より)
・4月頃~…京都時宗寺院御朱印めぐり *開始延期→10月1日より開始決定
・9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)