今月の言葉
「有心は生死の道、無心は涅槃の城なり 」
(〔解釈〕相対差別の心をもてば迷いの道があり、その心を無くせば安らかな境地へと入ることができる)
『一遍上人語録』
“ 3つの旗印”
余寒厳しい折ですが、いかがお過ごしでしょうか。全世界で新型コロナウイルスが猛威を振るっております。一刻も早い事態の収束を願うばかりです。
さて、2月15日は、仏教三大行事の一つである涅槃会の日です。お釈迦様が亡くなり、完全な涅槃へ入られたことを偲びます。涅槃とはさとりの境地、苦しみが消滅した状態を指します。よくタイなどで見られるお釈迦様が横になっている像が涅槃のお姿で、頭を北に顔は西を向き、右脇を下にしておられます(頭北西面右脇臥)。この涅槃は涅槃寂静ともいい、仏教の基本教理である「三法印」の一つに挙げられます。少し紹介したいと思います。
【三法印】とは・・・ ①諸行無常 ②諸法無我 ③涅槃寂静
- ➀「諸行無常」は最も基本的な真理といえます。すべての物事は永遠に存在するはせず、常に変化することを意味します。人の命も無常であり、はかないものです。“無常を観ずるは、菩提心のはじめなり”といい、自分の死を見つめたとき、本当の幸せ、さとりの道を目指すきっかけが生まれるのです。
- ②「諸法無我」はあらゆるものは因縁によって成り立っており、独立した存在、実体は無いという意味です。自分の体や心など、“私のもの”と思っている存在も、実は「無我」=「私のものではない」という教えです。
- ➂「涅槃寂静」とは涅槃が安らかな寂静の境地であるということを意味します。あらゆる煩悩や執着から離れることができれば涅槃に入ることができ、仏教理想の境地とも言えます。
この3つに「一切皆苦」を加え、四法印と呼ぶこともあります。印とは旗印のことですから、三法印は仏教が掲げる基本的教義の旗印ということになります。大変大事なものですから常に心に留めおきたいものです。
合掌
~念仏行脚~
先月24日は恒例の「法然上人追慕念仏行脚」に参加しました。夕刻に太秦西光寺を出発し、2か寺で勤行したのち、粟生光明寺(西山浄土宗総本山)にて追慕法要を行いました。5教団の僧侶が集まり、一般参加者を含め約160名が約16キロ、5時間半の道のりを歩きました。
実は福田寺のお檀家さんもお一人参加され、無事満行されました。この道のりは、他教徒からの迫害が強まる中、法然上人のご遺骨を、お弟子方が光明寺まで運んだことに由来します。一心に念仏を称え、行脚する姿は、法然上人への報恩感謝そのものなのです。
年間行事予定
・1月12日…総代会
・2月15日14時…🈠フラワーアレンジメント教室
【参加費1,000円、申込締切1/31、持物/花切はさみ(あれば)】
・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)
・4月頃~…京都時宗寺院御朱印めぐり
・9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)
・写経会…詳細は後日