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4月のお便り(令和2年)

*新型コロナウイルスの影響を考慮し、4月からの写経会は延期させていただきます

今後の予定に関してはお便りやホームページなどでお知らせさせていただきます。

また、「京都時宗寺院の御朱印巡り」もチラシ・御朱印帳・満願証の制作などが進んではおりましたが、現況に鑑み、開始が延期になりました。

今月の言葉

もう利他りた

(自分自身のことを忘れ、他者の利益のために尽くすこと、それが最上の慈悲である)

「福田寺だより」4月 71号(PDF)

 

“ 共に乗り越えましょう”

コロナウイルスによる新型肺炎の脅威が増しております。3月27日現在、感染者数は日本で2,000人を突破し、世界では50万人を超え、さらに広がりを見せています。各地で移動の自粛要請が出され、政府による「緊急事態宣言」発令の準備も進められています。まさに未曾有の危機と言えるでしょう。

また、コロナウイルスの脅威に付随して、マスクや生活必需品の買い占め、転売といった問題が出てきました。物品を買い占める人や転売する人は違法ではないからと言い訳し、モラルの欠如が浮き彫りになりました。これは世界中で見られた現象で、ウイルスがきっかけというだけであって、人間の本質的な問題であると言えるでしょう。

もちろん、一部の人がこういった行動をしているだけという見方はできますが、不安からデマだと知りつつ必要以上に物品を買いだめしておこうと考える人も多いのも事実です。

このような難しい状況ほど人間は手を取り合って困難に立ち向かわなければなりませんが、現状はいかがでしょう。政治家や専門家も各々の立場や利害に基づいて提言や政策がなされるため、人々の間にパニックが広がったのではないでしょうか。偏見や差別、風評被害も散見されます。

今求められることは、闇雲に恐れずウイルスの抑制に向かって冷静に対応することです。簡単なことでありませんが、“冷静になろう”、“乗り越えられる”と考えることが心の余裕にもつながるかと思います。

そしてやはり今一度、仏教の精神に立ち返る必要があるのではないかとも思います。伝教大師は冒頭の言葉「忘己利他」という言葉を残されています。仏教者の根本精神、理想姿ともいうべき教えです。

また、普段お読みするお経の中に「自他法界同利益じたほうかいどうりやく」という一節が出てきます。大意は「自分や他者、生きとし生けるもの全てが、この世界の利益を等しく受け取る」です。仏教の基本は自利と利他、つまり自分にも他者にも利益がある事を良しとします。現代風に言うと「Win-Win」でしょうか。

自分も他者も世の中もあらゆる縁でつながっていますから、結局自分に返ってくるのです。自分より人を優先しなければならない、ということではなく、この一つの世界の利益を分かち合い、共存共栄を目指すということが大事なのだと思います。

合掌

 

年間行事予定

・1月12日…総代会

・2月15日14時…🈠フラワーアレンジメント教室

【参加費1,000円、申込締切1/31、持物/花切はさみ(あれば)】

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・第4土曜日14時~17時写経会(令和2年4月より*未定

4月頃~…京都時宗寺院御朱印めぐり *開始延期

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

3月のお便り(令和2年)

今月の言葉

無縄自縛むじょうじばく

(〔意味〕縄もないのに、みずからわが身をしばること。迷者は迷いに、悟者はさとりにとらわれて、自由になることのできない状態をいう。(精選版日本語大辞典))

「福田寺だより」3月 70号(PDF)

 

“ 般若心経”

先月に引き続き新型肺炎が猛威を振るっております。体調管理にはくれぐれもお気を付けください。

今年の春のお彼岸は3月17日~23日(20日が中日)までの期間です。22日には本堂で恒例の彼岸施餓鬼法要もございます。

またこの度、4月より「写経会」を開催することとなりました。どなたでも気軽に参加いただければと思っております。1度だけの体験でも、もちろん結構です。ただし、新型肺炎の影響が懸念されますので、また4月のお便りにも開催の有無をお知らせいたします。

写経というと、「難しそう」、「筆は慣れてないから」、と敬遠される方もおられますが、もったいないことです。“上手く”ではなく“心を静めて丁寧に”が、一字一字に仏様が宿られていることを意識して、写し取っていくことが大事です。

写経する経典として一般的なのものは『般若心経』です。文字数は266文字と非常に短いですが、大乗仏教を代表する経典とも言われ、現在でも浄土真宗、日蓮宗系を除きほとんどの宗派でまれています。時宗においても、特に祈願に関する法要ではよく誦まれ、総本山遊行寺では毎朝の勤行の後に、天照皇大神・熊野権現・大隅正八幡大菩薩の神棚に向かい読経する際に用いられます。

『般若心経』は正式には『般若波羅蜜多心経』といい、「空」を正しく理解した時に人々は苦しみから解放されると説かれています。この「空」の思想はお釈迦様が説かれた「縁起」と密接に関係しています。「縁起」とは全てのものは、独立して成り立っていないという教えです。例えば、「車」はタイヤやボディ、ガラス、ライトなど様々な部品が縁として集まって車と認識できます。一つの部品を見て「車」であると思う人はいないでしょう。ですから「車」が有ると思い込んでいますが、結局はパーツの集合体であって、「車」そのものの実体はないのです。この「車が有る」と思い込んでいるだけで実は実体がない、というのが「空」の思想です。この例だけではなく、基本的に私たちは、何かについて“このようにあるものだ”とか“こうあるべきだ”と考えてしまい、この先入観で苦しみを生み出します。まさに「無縄自縛」の状態で、「無い」ものを「有る」と思うから苦しむわけです。常識にとらわれず、何かに固執せず、ものごとをありのままに観ることができれば、苦しみから解放されると『般若心経』は教えてくださっているのです。  合掌

 

先月開催のフラワーアレンジメント教室の様子

 

年間行事予定

・1月12日…総代会

・2月15日14時…🈠フラワーアレンジメント教室

【参加費1,000円、申込締切1/31、持物/花切はさみ(あれば)】

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・第4土曜日14時~17時写経会(令和2年4月より)

4月頃~…京都時宗寺院御朱印めぐり

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)