【今月の掲示板】
松下幸之助 氏
“こころの成長”
新緑の香りが心地よい季節となりました。
5月5日は「端午の節句(こどもの日)」ですね。端午はもともと午の月の端の日(5月の最初の午の日)だったそうですが、午と五が中国語で同じ発音だったことから5月5日が端午の節句に変わっていったそうです。菖蒲などの薬草で厄除けをしていた風習があり、鎌倉時代以降、菖蒲が「尚武」と同じ読みであったり、菖蒲の葉の形が刀に似ていたりということで、男児の健やかな成長を願う日として一般的になったようです。また中国の故事である「登竜門」(鯉が黄河を上りきり龍となった説話)から立身出世を願い、鯉のぼりを掲げる慣習ができました。江戸時代は黒色の真鯉だけだったのが、明治・大正には赤い緋鯉が加わり、昭和には家族観の変化から黒は父親、赤は母親、青い鯉やピンクの鯉などが子供を表すようになったということです。同じこいのぼりでも令和の時代観で言えば、立身出世よりも「マイペースに」、「おおらかに」成長して欲しいという願いが多いかもしれませんね。
では、大人にとっての「成長」とはどういうものでしょうか。単純な脳の働きでいうと、計算力や記憶力は学生時代に比べて劣ってきているような気がしますが、人の能力はそれだけではないですよね。知識、経験に基づく判断力や対応力は伸びていくはずです。これは人間の器の大きさと言えるかもしれません。例えば、“物事を多方面から見ることができる”、“新しい価値観を受け入れられる”という柔軟な思考です。
ただし、知識や経験にとらわれてしまってもいけないわけです。何事も理屈優先で考えてしまい、行動しなかったり、それまでの価値観に合わないものを許容できなかったりするのは、知識がある意味邪魔しているのかもしれません。仏教では常識や知識にとらわれないという考え方も必要とされます。
宗祖一遍上人は念仏の心構えで「智恵も愚痴も捨て」、「ただ愚かなるものの心に立ちかへりて念仏したまふべし」とおっしゃられます。私たちの世界が相対差別の世界(損得で比較してしまう)だからこそ、円満無欠の阿弥陀仏に帰依し、「南無阿弥陀仏」と唱えるときには、知識や理屈、計らいは必要ないと説かれているのです。
知識を持ちつつも、それにとらわれないということが大事なのでしょう。以前ある老僧が「興味を広く持ち、向上心を忘れず、変化を恐れないことが大切だ」と教えてくださいました。ありがたいお言葉を頂戴したと思っております。
合掌
端午の節句の鯉のぼりがモチーフです。右下は近所の五条大橋を消しゴムはんこにしました。子どもたちの健やかな成長を願うばかりです。
「宗尊親王和歌シリーズ」です。親王像の絵は御奉納いただいたものを参考にしています。宗尊親王は当山の開基(創建者)です。史上初の皇族将軍として鎌倉幕府6代将軍に就き、その後更迭されるなど波乱に満ちたご生涯を過ごされました。和歌に非常に長けられ多くの作品を残されました。
風ぐるまが気になる猫と折り紙の兜です。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。
「勇猛精進(ゆうみょうしょうじん)」とは強く勇ましい志で努力することをいいます。
「一日の計は寅にあり」とは一日の計画・目標は朝に決めることが肝心だということわざです。
左上のハンコは丑年と同じく、中国の古代漢字の「寅」をモチーフにしています。
【5月の写経会は5/28(土)です(蔓延防止措置中であれば中止します)】
*写経会の詳細は こちらから
>「京都時宗道場御朱印巡り」
年間行事予定(令和4年)
・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり
・毎月第4土曜日14時~17時…写経会
・1月9日…総代会
・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)
・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)
・9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)