【今月の掲示板】
“寅年によせて”
明けましておめでとうございます。
謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、皆々様の安穏を心よりご祈念申し上げます。
本年の干支は寅に当たります。「一年の計は元旦にあり」ということわざがありますが、「一日の計は寅にあり」と続くこともあるそうです。これは寅の刻が午前3〜5時を指すので、「一日の計画の肝は朝にある」との教訓です。それにしても朝が早い気がしますが・・・・・・。ともかく一年にせよ一日にせよ、計画や目標をもって大事にしていきたいものです。
では動物のトラにはどんなイメージを持たれるでしょうか。野生のトラには獰猛、怖いというイメージがある一方、その強さゆえに勇猛、勇ましいという憧れに似たものを感じられるのではないでしょうか。かつて腕のたつ武人は虎狩りを成功させて武勇伝にしたそうです。
実は「勇猛」という言葉は仏教では「ゆうみょう」と読みます。浄土三部経の一つ『無量寿経』には「勇猛精進」という言葉があります。意思が強く、勇ましく努力するという意味で、修行者の理想の心持ちです。
また中国の善導大師作の『初夜礼讃』の「無常偈」にも「勇猛勤精進」という一節が出てきます。時宗ではこうした礼讃に節をつけ、音程、抑揚を整えてお唱えします。いわゆる「声明」です。その中、無常偈では声明のリード役を務める「調声」の僧侶以外は合掌し、わずかにも動いてはいけません。心して偈文に耳を傾けるのです。本山では多くの僧侶がおりますので尚更緊張感があります。頭が痒くても、くしゃみが出そうでも耐えるしかないのです。
それでは『初夜礼讃』「無常偈」の全文を紹介します。
煩悩深無底 生死海無辺 度苦船未立 云何楽睡眠 勇猛勤精進 摂心常在禅
大意は「私たちの煩悩は底知れず深く、生死輪廻は果て無い海のようである。この苦しみの世界を離れて安楽の世界を目指す船が出立していないのに、どうして怠惰な日々を過ごしているのか。勇猛に精進し、心を乱さず往生を求めよ」となります。心引き締まる金言ですね。
では皆様が良い一年を過ごされますことを祈念し結びとさせていただきます。 合掌
当山の御本尊である阿弥陀如来像は右袖が垂れていないので「片袖の弥陀」とも言われます。
本堂前のナンテンをモチーフにしています。
「開運招福」~笑う門には福来る~ には一年の吉祥を込めています。
正月リース、打ち出の小槌、ねこ鍋を消しゴムハンコで押しています。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。
令和4年限定「勇猛精進」1000円(1月2月のみ配布・書置き・鳥の子金和紙)令和4年寅年限定の御朱印です。
「勇猛精進(ゆうみょうしょうじん)」とは強く勇ましい志で努力することをいいます。
「一日の計は寅にあり」とは一日の計画・目標は朝に決めることが肝心だということわざです。
左上のハンコは丑年と同じく、中国の古代漢字の「寅」をモチーフにしています。
【次回の写経会は1月22日です(緊急事態宣言が京都府下に出ている場合は中止)】
*写経会の詳細は こちらから
>「京都時宗道場御朱印巡り」
年間行事予定(令和4年)
・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり
・毎月第4土曜日14時~17時…写経会
・1月9日…総代会
・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)
・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)
・9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)