【今月の掲示板】
「和顔愛語」
穏やかな顔、やさしい言葉づかいを心掛けましょう
“二河白道”
早いもので9月を迎えます。秋というべき季節でしょうが、この暑さでは秋を肌で感じるにはまだのようです。またこの夏は全国的な大雨に悲惨な災害も相次ぎました。被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。
さて、総本山遊行寺では、例年9月21日~24日に「秋の開山忌」として一遍上人のご入滅を偲ぶ忌日法要が行われています(本年はコロナ禍のため22日~24日に縮小)。一遍上人が入滅されたのは8月23日ですが、これは旧暦のため、現在の暦では9月に法要が営まれます。
9月23日前後は秋のお彼岸がありますので、一遍上人ご入滅とお彼岸が同じ時期になります。お彼岸にも一遍上人にも深くかかわるものに「二河白道の譬え」があります。
二河白道とは浄土教者の信仰についての譬え話で、唐の善導大師が説かれました。要約して紹介します。
ある旅人が西へと向かって歩いていると、突如として目の前に2つの河が現れます。南は燃えさかる火の河、北は渦巻く水の河です。二河の真ん中に4,5寸ほどの白い道がありましたが、火も波も激しくとても渡りきれそうにありません。さらに振り返れば盗賊、猛獣が近寄ってきています。窮地に追い込まれ恐怖でいっぱいになりますが、どうせ死ぬならばと白道を歩もうとします。すると東岸から「真っ直ぐ進んで行きなさい」と声が聞こえ、また西岸からも「恐れずにこちらに来なさい」と声がします。後押しされ白道を歩みだし、無事に旅人は西岸へと渡れました。
以上が物語ですが、では何が譬えられているのでしょうか。まず西岸は彼岸(極楽浄土)を、東岸は此岸(この世)を表しています。次に旅人とは私たち浄土教を信仰する者であり、火の河は私たちの憎しみや怒りの心、水の河は欲にまみれる心、盗賊・猛獣は心身に伴う煩悩を表します。私たちは常々煩悩にさいなまれ、欲におぼれたり、怒りに心を燃やしたり、この世で苦しみに苦しみを重ねているのです。
この窮地に一筋の光となる道が白道です。これは極楽浄土に往生したいと願う心の譬えとされますが、一遍上人は「水火の二河は我等が心なり。二河におかされぬは名号なり」と説かれ、この白道こそ「南無阿弥陀佛」の名号であると解釈されました。また、東岸の送り出す声はお釈迦様、西岸の迎える声は阿弥陀様であり、念仏者の往生が二尊によって叶うことが示されています。
この物語は「二河白道図」という絵画で表されるようになり、信州善光寺を参詣された一遍上人もこの絵を写し取られて自らの本尊とされました。
お彼岸は太陽が真西に沈み彼岸(極楽浄土)に心をはせるのに最上とされます。煩悩の二河に堕ちることなく白道を歩みたいものです。
合掌
爽やかで気持ちの良い秋と言う意味です。
ハンコは庭のサギソウとコスモスをモチーフにしています。
消しゴムはんこの赤と青の彼岸花で二河を表してみました。
詳しくはお便りの法話をご覧ください。
9月23日が一遍上人忌ということで、一遍上人が入滅される直前に詠まれた和歌を書いています。
「南無阿弥陀 ほとけの御名(みな)の いづる息 いらば蓮(はちす)の 身とぞなるべき」
(「南無阿弥陀仏」と名号を一息一息に称える。その出た息を引き取り臨終を迎えた時こそ、極楽浄土の蓮台に往生する身となるのだ。)
旬の京野菜である鹿ヶ谷かぼちゃ、
月見団子が気になる猫ちゃんを押しています。
阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。
【次回の写経会は9月25日です(緊急事態宣言が京都府下に出ている場合は中止)】
*写経会の詳細は こちらから
>「京都時宗道場御朱印巡り」
年間行事予定(令和3年)
・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり(令和2年10月より)
・毎月第4土曜日14時~17時…写経会(令和2年7月より)
・日時未定…総代会
・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)
・9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)