今月の言葉
「それ生死に七種の用心あり」
『一遍上人語録』
【一遍上人のおこころ:生と死についての心構えには七種類ある。一息生死から一期生死までのそれである】
「福田寺だより」平成31年1月第56号(PDFファイル)
“一息生死”
明けましておめでとうございます。お年始のご挨拶を申し上げますとともに、謹んで檀信徒の皆様の平安を御祈念いたします。新元号に変わるこの一年は、何か新たなスタートを切るのにふさわしい予感がします。
私も恐縮ですが、この度良縁に結ばれまして、結婚式を4月13日に執り行うこととなりました。まだお伝えできていないお檀家様もいらっしゃいますので、改めてこのお便りでご報告させていただきます。
さて、新年が始まったわけですが、12月31日には一年の終わりが来ます。ずいぶんと気が早い話ですがご容赦ください。当然、一年であれ、一か月であれ、期間を区切れば必ず始まりと終わりがあります。一遍上人は七種の始まりと終わり(生と死)を説かれました。つまり生と死についての心構えです。
「一期(一生)」「一年」「一月」「一日」「一時」「一念」「一息」というように期間を区切り、「一息」には吐く息(生)、吸う息(死)があり、「一念」は念仏の始めと終わりをそれぞれ生死であると考えます。だんだん期間が伸びていき最後は「一生」へと行きつきます。「一日一生」でもあり、「一年一生」でもあります。一遍上人は生と死というものを「一期」に限らず、刻々と過ぎる“今”その瞬間に感じなければならないとおっしゃられたのです。長く感じる生涯も、“今”が連続してやってくる、だからこそ今というひと時を、念仏を通して懸命に過ごすことが大切なのです。臨終間際の念仏ではなく、日ごろからの“平生念仏”を強調されているのは、この心構えからも理解できます。
『阿弥陀経』には「聞説阿弥陀仏 執持名号 若一日 若二日 若三日 若四日 若五日 若六日 若七日 一心不乱」とあり、一日ないし七日間、念仏を称えれば、ご来迎があり極楽往生が叶うとあります。この七日間を先ほどの七種の生死と考えると、お経も身近に考えていただけるのではないでしょうか。
本年も檀信徒の皆様とともに、念仏への感謝をもって過ごしたいと存じます。
合掌
年間行事予定
・1月13日…総代会
・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)
・4月13日11時30分…副住職結婚式
・4月13日~6月9日…御遠忌特別展「国宝一遍聖絵と時宗の名宝」(京都国立博物館)
↑当山の御本尊阿弥陀如来像が5月14日~6月9日まで出陳されます!
・5月26~28日…総本山団体参拝(京都の時宗寺院合同/ご希望の方に詳細をご案内します)
・9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)