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4月のお便り(令和4年)

【今月の掲示板】

 

“桜とご縁”

新年度が始まりました。4月8日には、お釈迦様の誕生日を祝福する「降誕会(ごうたんえ)」があります。昨年は初めて本堂前に誕生仏を出してお祝いしました。今年もお飾りする予定ですのでお参りの際はぜひご覧ください。

お釈迦様はルンビニー園という花園でお生まれになりました。伝承では、お母様であるマーヤー夫人がお産の帰省途中に立ち寄った際に、アショーカ(無憂樹)の花が咲いていたので手を伸ばしたところ夫人の右脇から出生なされたといいます(脇から生まれるというのは古代インドの高貴な身分の出生を表すとされます)。このような誕生説話、そしてこの時期日本では桜が開花するということもあり、お釈迦様の誕生のお祝いは「花まつり」と呼ばれるようになりました。

桜は日本人にとって最もなじみ深い花かと思いますが、その人気は平安時代までさかのぼるといいます。奈良時代までは和歌で単に「花」といえば、中国から伝来した梅のことを指していましたが、平安時代は国風文化の影響とともに「花」は桜のことを指すようになりました。優雅な姿とともに散り行く儚さも桜の魅力の一つです。福田寺開基・宗尊親王(むねたかしんのう)も「春ごとに とまらぬものを 花と言ひて 今年もいたく 散る桜かな」(毎年の春に咲いては散ってとどまらないものを花というのであって、今年もいたく散っていく桜であることよ)と詠まれています。年がら年中咲き続けていては、どのように美しい花でもこれほど人の心を打つことはないのです。この無常観は仏教の「諸行無常」という考え方が強く影響しています。「ものごとに不変のものはなく、すべては移ろいゆく」というお釈迦様が示された真理です。

草木が成長し、花が咲き、実をつける、という変化は当然のように見えますが、そうではありません。この変化には常に「縁(えん)」が必要です。縁とは変化の補助となるもので、植物にとっての縁は土や太陽、水といったものです。私たち人間の成長、変化にも縁が常に働いています。今ある自分は無数の縁の中で存在していると気が付けば、自ずと周りに感謝の心や報恩の言動が生まれるのではないでしょうか。そしてその心や言動は良縁となり幸せが繋がっていくはずです。出会いの春、気持ち新たに多くのご縁を結んでいきたいものです。

合掌

 

・令和4年4月限定御朱印(片袖の弥陀・300円

当山の御本尊である阿弥陀如来像は右袖が垂れていないので「片袖の弥陀」とも言われます。

4月はお庭に咲くヤマブキをモチーフにしております。

 

・令和4年4月限定御朱印(降誕祝福・800円)

お釈迦様の誕生日である4月8日の降誕会(花まつり)をモチーフにしています。お釈迦様はルンビニーの花園でお生まれになり、すぐに「天上天下唯我独尊」と宣言したと伝わります。

 

令和4年4月限定御朱印(宗尊親王和歌、黄緑色柄付き和紙、見開き書置き800円)

「宗尊親王和歌シリーズ」です。親王像の絵は御奉納いただいたものを参考にしています。宗尊親王は当山の開基(創建者)です。史上初の皇族将軍として鎌倉幕府6代将軍に就き、その後更迭されるなど波乱に満ちたご生涯を過ごされました。和歌に非常に長けられ多くの作品を残されました。

「春ごとに とまらぬものを 花と言ひて 今年もいたく 散る桜かな」

解釈:毎年の春に咲いては散ってとどまらないものを花というのであって、今年もいたく散っていく桜であることよ)

 

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり4 月)

タケノコが気になる猫とヒヤシンスです。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和4年限定「勇猛精進」1000円

「勇猛精進(ゆうみょうしょうじん)」とは強く勇ましい志で努力することをいいます。

「一日の計は寅にあり」とは一日の計画・目標は朝に決めることが肝心だということわざです。

左上のハンコは丑年と同じく、中国の古代漢字の「寅」をモチーフにしています。

 

【4月の写経会は4/23(日)です(蔓延防止措置中であれば中止します)】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和4年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月9日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

3月のお便り(令和4年)

【今月の掲示板】

「地に空に平和を」- 湯川秀樹

 

“極楽の鳥”

「2月は逃げる」と言いますが、まさにあっという間に3月を迎えました。京都府では蔓延防止措置が3月6日まで延長され、気軽な外出もままならなくなりました。当寺も2月の写経会は中止とさせていただきました。したいことが自由にできず、時間だけが経つというのは残念でなりません。何か現状でも行える、現状だからこそできる活動を探っていきたいと思います。

さて今年の春のお彼岸は18日(金)~24日(木)までです。彼岸とはさとりの世界、つまり極楽浄土をさしています。彼岸は太陽が真西に傾くことから、西方極楽浄土に思いをはせる日でもあります。この極楽浄土の様子が描かれる経典の一つに『阿弥陀経』があります。当寺では月参りや、法事でもお読みすることが多い経典です。少し紹介しますと、「極楽とはいかなる苦しみない場所で、あらゆるものが金・銀・瑠璃・水晶といった宝石でできている。池には青黄赤白といった蓮の花がそれぞれの光で輝いている。」といった様子です。

さらに白鵠(びゃっこう)・孔雀(くじゃく)・鸚鵡(おうむ)・舎利(しゃり)・迦陵頻伽(かりょうびんが)・共命鳥(ぐみょうちょう)といった6種類の鳥が登場します。孔雀と鸚鵡以外は空想のものもあり馴染みがないかもしれません。これらの鳥は極楽世界でいつも優雅な声で鳴いており、その声はそのまま仏様の教えにほかならず、極楽の人々はその鳴き声を聞き、常に仏・法・僧を心に念じるといいます。そしてこの鳥たちが、阿弥陀仏が形を変えて現れた姿だと説かれています。

仏教には「薫習(くんじゅう)」という言葉があります。お香を焚いたら衣服に薫りが染みついていくように、その人の言動がその人自身の心の中に染みつき影響を与えるという考え方です。また、正しい教えを聞くことでその人に清らかな影響があらわれることを「聞熏習(もんくんじゅう)」といいます。お釈迦様の教えは「聞く」ことが重要だと言われる由縁です。極楽浄土でも妙なる音が聞こえてきて、知らず知らずに清らかな心になっていく、それが鳥の鳴き声で表されているのです。

例えば「お経を聞いても何を言っているのか分からない」、「法話を聞いても直ぐに理解できない、実践できない」というのは至極当然かと思います。お経は基本的に漢文ですし、仏法の実践も簡単ではありません。しかし、聞くだけでも良いのです。聞き心地が良いように音楽のような読経(声明しょうみょう)があるのだと思います。触れる機会さえあれば自然と「熏習」されていき、心に変化が現れるはずです。

お寺でも月例の写経会の前に少しお話させていただいたり、『遊行』誌での法話を書かせていただいております。仏法に少しでも触れる機会にしていただけば有難く思います。

合掌

 

・3月限定御朱印(片袖の弥陀・300円)

当山の御本尊である阿弥陀如来像は右袖が垂れていないので「片袖の弥陀」とも言われます。

3月はお庭に咲く沈丁花をモチーフにしております。

 

・令和4年3月限定御朱印(極楽浄福・800円)

お彼岸=極楽浄土ということで、極楽世界に住する迦陵頻伽かりょうびんがという鳥(上半身は人)をモチーフにしています。

迦陵頻伽は大変な美声で鳴くと言われ、極楽世界では常に妙なる音楽、鳴き声が聞こえてきます。

「極楽浄福」とは造語ですが、浄福は「信仰によって得られる清らかな幸福」を意味します。極楽はまさに浄福の世界です。

令和4年3月限定御朱印(宗尊親王和歌、桃色柄付き和紙、見開き書置き800円)

3月から1年間「宗尊親王和歌シリーズ」を始めます。親王像の絵は御奉納いただいたものを参考にしています。宗尊親王は当山の開基(創建者)です。史上初の皇族将軍として鎌倉幕府6代将軍に就き、その後更迭されるなど波乱に満ちたご生涯を過ごされました。和歌に非常に長けられ多くの作品を残されました。

「あはれことし 我が身の春も すえぞとは しらで弥生やよいの 花を見しかな」

解釈:ああ、今年よ、我が身の春が最後だとは知らずに弥生の花を眺めたことよ(鎌倉から京都に送還後詠んだもので、鎌倉での最後の春を思い起こしている)

 

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり3 月)

猫のひな祭りとミモザです。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和4年限定「勇猛精進」1000円

「勇猛精進(ゆうみょうしょうじん)」とは強く勇ましい志で努力することをいいます。

「一日の計は寅にあり」とは一日の計画・目標は朝に決めることが肝心だということわざです。

左上のハンコは丑年と同じく、中国の古代漢字の「寅」をモチーフにしています。

 

【3月の写経会は3/13(日)です(蔓延防止措置中であれば中止します)】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和4年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月9日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

2月のお便り(令和4年)

【今月の掲示板】

 

“鬼と仏”

またしても京都府も含め、全国的に蔓延防止措置が採られました。年末までは少し落ち着いた雰囲気があっただけに 残念ではありますが、気を引き締め直して感染対策に気を付けたいものです。

さて2月3日は節分です。節分は読んで字のごとく季節の分かれ目(立春・立夏・立秋・立冬)の前日を言い、特に立春前日の2月3日を指します。

「鬼は外、福は内」の掛け声とともに福豆を投げるのが定番ですが、違う地域もあるようです。鬼を祭神として祀っている寺社では「鬼は内(鬼も内)」と声をかけ、また鬼頭さんや鬼塚さんという名字が多い地域でも「鬼も内」と言うそうです。

私が総本山遊行寺にいた頃、やはり節分の法要(節分追儺式ついなしき)がありました。『大般若経』を転読し、祈願の後豆まきが盛大に行われますが、他阿真円上人猊下げいかは「福は内、福は内」と声をかけ、「鬼は外」とはおっしゃりませんでした。実はこの豆まきは当たりくじの入った福豆を投げる仕組みで、地域を盛り上げるために景品がついていました。ですから参加者の多くは景品を求めてもみくちゃになりながら福豆に手を伸ばすのです。真円上人は決まって始まる前に「毎年皆さん福豆を取ろうと争って、ここから見ると鬼がいっぱいです。節分に鬼になってはいけませんよ。」とおっしゃっていましたが、本当にその通りで、鬼が自分の内側にいることを知っておられ、あえて「鬼は外」と声をかけられなかったのかと思います。

以前、心の鬼の正体は三大煩悩(三毒)であるとお話ししました。鬼の色とも繋がりがあり、青鬼=貪欲とんよく(むさぼり・執着)、赤鬼=瞋恚しんに(怒り・憎しみ)、黒鬼=愚痴(真理に暗いこと)の3つです。地獄の鬼は人間界にも蔓延しているわけです。

天台の教えに「十界互具じっかいごぐ」という言葉があります。十界とは、仏界から人間界、地獄界まで10の世界で、そのいずれの世界にも他の九界を具えているというのが十界互具です。つまり仏界にも地獄界があり、地獄界にも仏界が存在するという教えです。もちろん私たちの世界、心の中にも仏界、地獄界があり、いずれが顕れるかは自分次第です。仏道に努め、地獄の鬼とうまく付き合いながら、仏さまにお会いしたいものです。

合掌

 

・2月限定御朱印(片袖の弥陀・300円)

当山の御本尊である阿弥陀如来像は右袖が垂れていないので「片袖の弥陀」とも言われます。

2月はお庭に咲く梅の花をモチーフにしております。蝋梅の花は今年は咲きそうにありません。

 

・令和4年2月限定御朱印(福は内・800円)

節分の御朱印です。お多福さんと鬼がお互いの面をかぶり仲良くしています。

 

令和4年2月限定御朱印(涅槃会、黄色柄付き和紙、見開き書置き800円)

⁡2月15日は涅槃会です。
中心はお釈迦様の教えを表す仏足石です。お釈迦様が涅槃に入られた時、沙羅双樹が一方は生い茂り、一方は枯れたという説話に基づき左右に沙羅の葉のハンコを押しています。
言葉は時宗の和讃からです。お釈迦様は亡くなる直前、弟子たちに嘆くことなく、在世の頃と変わらず修行するように言い残されました。

 

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり2 月)

節分時に飾るヒイラギイワシと向かい合う猫です。
2月22日は猫の日というらしいですね。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和4年限定「勇猛精進」1000円

令和4年限定「勇猛精進」1000円(1月2月のみ配布・書置き・鳥の子金和紙)令和4年寅年限定の御朱印です。

「勇猛精進(ゆうみょうしょうじん)」とは強く勇ましい志で努力することをいいます。

「一日の計は寅にあり」とは一日の計画・目標は朝に決めることが肝心だということわざです。

左上のハンコは丑年と同じく、中国の古代漢字の「寅」をモチーフにしています。

 

【2月の写経会は中止します】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和4年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月9日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

1月のお便り(令和4年)

【今月の掲示板】

 

“寅年によせて”

明けましておめでとうございます。

謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、皆々様の安穏を心よりご祈念申し上げます。

本年の干支は寅に当たります。「一年の計は元旦にあり」ということわざがありますが、「一日の計は寅にあり」と続くこともあるそうです。これは寅の刻が午前3〜5時を指すので、「一日の計画の肝は朝にある」との教訓です。それにしても朝が早い気がしますが・・・・・・。ともかく一年にせよ一日にせよ、計画や目標をもって大事にしていきたいものです。

では動物のトラにはどんなイメージを持たれるでしょうか。野生のトラには獰猛、怖いというイメージがある一方、その強さゆえに勇猛、勇ましいという憧れに似たものを感じられるのではないでしょうか。かつて腕のたつ武人は虎狩りを成功させて武勇伝にしたそうです。

実は「勇猛」という言葉は仏教では「ゆうみょう」と読みます。浄土三部経の一つ『無量寿経』には「勇猛精進」という言葉があります。意思が強く、勇ましく努力するという意味で、修行者の理想の心持ちです。

また中国の善導大師作の『初夜礼讃しょやらいさん』の「無常偈むじょうげ」にも「勇猛勤精進ゆうみょうごんしょうじん」という一節が出てきます。時宗ではこうした礼讃に節をつけ、音程、抑揚を整えてお唱えします。いわゆる「声明しょうみょう」です。その中、無常偈では声明のリード役を務める「調声ちょうしょう」の僧侶以外は合掌し、わずかにも動いてはいけません。心して偈文に耳を傾けるのです。本山では多くの僧侶がおりますので尚更緊張感があります。頭が痒くても、くしゃみが出そうでも耐えるしかないのです。

それでは『初夜礼讃』「無常偈」の全文を紹介します。

煩悩深無底ぼんのうじんむてい 生死海無辺しょうじかいむへん 度苦船未立どくせんみりゅう 云何楽睡眠うんがぎょうすいめん 勇猛勤精進ゆうみょうしょういじん 摂心常在禅せっしんじょうざいぜん

大意は「私たちの煩悩は底知れず深く、生死輪廻は果て無い海のようである。この苦しみの世界を離れて安楽の世界を目指す船が出立していないのに、どうして怠惰な日々を過ごしているのか。勇猛に精進し、心を乱さず往生を求めよ」となります。心引き締まる金言ですね。

では皆様が良い一年を過ごされますことを祈念し結びとさせていただきます。  合掌

 

・1月限定御朱印(片袖の弥陀・300円)

 

・1月限定御朱印(書置き・金色和紙、片袖の弥陀・500円)

当山の御本尊である阿弥陀如来像は右袖が垂れていないので「片袖の弥陀」とも言われます。

本堂前のナンテンをモチーフにしています。

 

・令和4年1月限定御朱印(開運招福・800円)

「開運招福」~笑う門には福来る~ には一年の吉祥を込めています。

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり1 月)

正月リース、打ち出の小槌、ねこ鍋を消しゴムハンコで押しています。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和4年限定「勇猛精進」1000円

令和4年限定「勇猛精進」1000円(1月2月のみ配布・書置き・鳥の子金和紙)令和4年寅年限定の御朱印です。

「勇猛精進(ゆうみょうしょうじん)」とは強く勇ましい志で努力することをいいます。

「一日の計は寅にあり」とは一日の計画・目標は朝に決めることが肝心だということわざです。

左上のハンコは丑年と同じく、中国の古代漢字の「寅」をモチーフにしています。

 

【次回の写経会は1月22日です(緊急事態宣言が京都府下に出ている場合は中止)】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和4年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月9日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

12月のお便り(令和3年)

【今月の掲示板】

更新をお待ちください

 

“除夜の鐘”

 もう年の瀬かと思われる方も多いのではないでしょうか。先日、清水寺で発表される「今年の漢字」一文字が公募されていたので、私は「異」という漢字を出してみました。普段と異なる日常、異例のオリンピック・パラリンピック無観客などから連想したのですが、もう少し前向きな漢字が選ばれてもいいかもしれませんね。皆様にとってはどのような一年だったでしょうか。

さて12月というと8日の成道会じょうどうえ(お釈迦様のお悟りをお祝いする日)がありますが、去年のお便り(→コチラ)でお話ししましたので、今号はもう一つの行事である「除夜の鐘」について書いてみたいと思います。

「除夜」というのは大晦日のことで、「除く」とあるように旧年を取り除いて新たな年に向かおうとする意味が含まれています。ですから除夜の鐘にも悪いものを払い除ける目的があるのです。それは煩悩であったり邪気であったりします。もともと鐘の音には時間を知らせる役割だけでなく、浄化の作用もあると言われているので、特に大晦日は新年を迎える意味合いから鐘つきが大切にされているのです。

この鐘をつく回数はお寺によって異なりますが「108」回が多いようです。108といえば「百八煩悩」ともいうように煩悩の数とされます。この108という数字の由来については諸説あり詳細は省きますが、代表的な煩悩を挙げてみたいと思います。

貪(とん/むさぼり)、瞋(しん/怒り・憎しみ)、痴(ち/真理を知らない)の三大(三毒さんどく)煩悩です。簡潔に言うと、貪は欲しい欲しいと思う人間の心、瞋は嫌だ嫌だと思う人間の心です。私たちは好きか嫌いかで物事を判断することが多く、好きなものは欲しい、捨てたくない、ずっと続いてほしい、逆に嫌いなものに関しては、嫌だ、手放したい、遭遇したくない、と考えることでしょう。つまり、好都合=貪、不都合=瞋が働いているといえます。これらは全て自分の都合であり、思い通りにいくことは多くはありませんので、結果的に苦しみを生んでしまいます。そして都合により判断をしてしまう根源的な原因が痴なのです。仏教の真理を知り、教えに従えば自分の都合だけで感情が左右されることも自ずと減っていくのです。

また宗祖一遍上人は「三毒は三業さんごうの中には、意地具足の煩悩なり」と説かれ、貪瞋痴の三毒煩悩は自己都合の執着から離れられない心だと示されています。これを取り除く唯一の道は、「南無阿弥陀仏」の名号を唱え、阿弥陀仏に全てをお任せすることであるとも説かれました。

何かとせわしない暮れの日々ですが、心新たに新年を迎えたいものです。   合掌

 

・12月限定御朱印(雪花・300円)

花のような雪や結晶を雪花と言います❄️
お庭にあるサザンカをモチーフにしています。

 

・令和3年12月限定御朱印(成道会・700円)

12月8日はお釈迦様のお悟りの日とされ、それをお祝いする法要は成道会と呼ばれます。
また私たちにお念仏の教えを説いてくださったお釈迦様の恩徳に感謝する日でもあります。

 

令和3年12月限定御朱印(年の瀬、青緑色柄付き和紙、見開き書置き800円)

青緑色のキラキラした和紙を使用しています。
和歌は宗尊親王作で「命とは 思ひも知らで 人ごとに はかなく急ぐ 年の暮れかな(命はいつまであるか分からないのに、人々は年の瀬の忙しさに追われていることよ)」です。除夜の鐘と和ロウソクをハンコにしています。

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり12 月)

京野菜の聖護院大根、エビ芋とコタツのキツネを押しています。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

【次回の写経会は12月25日です(緊急事態宣言が京都府下に出ている場合は中止)】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和3年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり(令和2年10月より)

・毎月第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

・日時未定…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

11月のお便り(令和3年)

【今月の掲示板】

 

福田寺だより 11月 90号

“紅葉と人生”

 

秋も深まりを見せ、これから紅葉が楽しみな季節がやってまいります。紅葉は葉っぱの老化現象とされるそうで、日照時間の短い冬は水分を逃がさないように木から葉が落とされます。その前段階として葉を緑に見せている色素が分解され黄色く見え、また新たにアントシアニンという赤い色素が作り出され、紅葉が完成するそうです。古語では紅葉することを「もみづ(づから)」といい、これが名詞化され「もみぢ(じ)」になったそうです。

かの良寛禅師が「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」と詠まれたように、紅葉は鮮やかな色彩の変化を見せる反面、散って生を終えるという儚さを持ち合わせています。老化現象があるのも人の生涯と似ていますね。ところで、お釈迦様がいらっしゃった頃のインドでは、人生の理想の在り方として「四住期」が考えられました。

学生期…先生や師匠に学び、学生として勉学に励む

家長期…家の主として家族を支える

林住期…人里離れた山林で修行し真理を求める

遊行期…一所不住の旅をし、身につけた真理を人々に布教し利益を与える

の4つです。お釈迦様や一遍上人もこの四住期になぞらえられるような生涯を遂げられています。特にお二方に関しては最晩年の遊行期が非常に長いことが特筆されます。お釈迦様の遊行期間は45年間、一遍上人も16年間、共に亡くなるまで遊行を続けられました。

現代の私たちに林住期や遊行期を徹底するということは簡単ではありません。しかし日々に忙殺される中で参考にできる意味合いはあるのではないかと思います。例えば、林住期のように自分の内面を見つめることを大事にし、遊行期のように他人の利益になることを心掛ける、と言うようなことです。実際の年齢には関係なく、思い立った今実践するという方が仏教らしいのではないかとも思います。

さて一遍上人は色濃い紅葉のような晩年を過ごされましたが、その身命に執着されることはありませんでした。死期を悟られた和歌には「旅衣たびごろも 木の根かやの根 いづくにか 身の捨てられぬ 処あるべき(長く旅を続けてきた我が身であって、木の根元であれ茅の根元であれ、どのような処で最期を迎えても悔いはない)」と詠まれました。誠に「捨聖すてひじり」と称えられるべき金言であります。

合掌

 

・11月限定御朱印(冬隣・300円)

冬隣ふゆどなりとは、冬の気配が感じられる晩秋のことをいいます。
当寺に植わるツワブキとカラスウリをモチーフにしています。

 

・令和3年11月限定御朱印(錦楓・700円)

錦楓きんぷうとは錦のように美しい紅葉という意味があります。当寺の本堂を消しゴムハンコにしました。
「裏見せ表見せ」は良寛禅師の和歌からです。

 

令和3年11月限定御朱印(旅の僧、黄色柄付き和紙、見開き書置き800円)

黄色の和紙を使用しています。
和歌は一遍上人作で「旅ごろも 木の根茅の根 いづくにか 身の捨てられぬ 処あるべき(長く旅を続けてきた我が身であって、木の根元であれ茅の根元であれ、どのような処で最期を迎えても悔いはない)」です。

 

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり11 月)

ミノムシと布団にくるまる猫です。
阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

【次回の写経会は11月27日です(緊急事態宣言が京都府下に出ている場合は中止)】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和3年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり(令和2年10月より)

・毎月第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

・日時未定…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

10月のお便り(令和3年)

【今月の掲示板】

実るほど頭を垂れる稲穂かな

福田寺だより(10月 89号)

“仏法をまとう”

 

お寺ではお盆、お彼岸と大きな行事が無事に終わりました。コロナ禍で何もかもが通常通りとはいきませんが、その中でも出来ることを模索していきたいと思います。

さて少し前の事ではありますが、通っている書道教室で初めて条幅の作品を書かせていただきました。せっかくなのでお経の言葉を書きたいと思い「袈裟被着偈」と呼ばれる20文字の偈文を選びました。次のような文言です。

大哉解脱服だいさいげだっぷく 無相福田衣むそうふくでんね 被奉如戒行ひぶにょかきぎょう 廣度諸衆生こうどしょしゅじょう

意訳すると「大いなるかな、解脱へと導く服よ、姿形にとらわれない悟りを実らせる福田に例えられる衣よ。謹んでこの衣(袈裟)を身に着け、仏法に従い持戒と修行に努め、広く衆生を悟りへと導こう。」となります。

これは福田衣(袈裟)の威徳を称えた偈文で、私たち僧侶は法会の前や袈裟を身に着ける際にこの偈文をお唱えします。お分かりの通りここに出てくる「福田」は当山、福田寺に冠せられる言葉でもあります。以前、お便りの中で福田寺の由来について書かせていただいたとき、「福田」とは“福が実る田んぼである”とお話させていただきました。水田に良い種がまかれれば良い稲穂が実るように、人間も善い行いをすれば福徳が実るというお釈迦様の教えです。

袈裟を見ていただくと、たくさんの布が縫い合わされたような形をしているのが分かるかと思います。全体を見れば田んぼのように見えてきます。お釈迦様は先ほどの福徳が実る教えをこの袈裟に表されたのです。言い換えればこの福田衣(袈裟)はお釈迦様の教え(仏法)そのものとである言うことができます。ですから袈裟は仏教では非常に大切なものとして扱われます。私が初めて本山に修行に行ったときは袈裟も法衣も何が何だか分からない状態でしたので、つい袈裟を直接畳に置いてしまい大変怒られました(お経の本も畳に直置きすることはいけません)。また、歩きながら袈裟をつけること、お手洗いで外さないこともご法度です。衣をまとっているというよりは仏法をまとっているような心構えをしなければいけません。一遍上人も“袈裟は「対(なら)ぶもの無き仏法を信じる心」を表している”と説かれました。

在家の方用には輪袈裟などの袈裟もありますので、お持ちであれば仏様のように大切にしていただき、ご法要の際など積極的に着用してみてはいかがでしょうか。

合掌

 

・10月限定御朱印(菊日和・300円)

菊が咲く頃の秋の気持ちの良い天気を指す季語です。

 

・令和3年10月限定御朱印(豊楽・700円)

夕焼けと稲穂をイメージしています。
豊楽は「人々が豊かに楽しく暮らしている様子」という意味です。「ほうらく」とも「ぶらく」とも読みます。
「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」-優れた人ほど謙虚であるという例えです。

 

令和3年10月限定御朱印(実りの秋、柄付き和紙、見開き書置き800円)

黄土色のキラキラした和紙です。
葡萄と栗の消しゴムはんこに宗尊親王の和歌を書いています。
「世をおさめ 民をたすくる 心こそ やがてみのりの誠なりけれ」
〈(皇族将軍として)世の中を正しく治め、人々の暮らしを豊かにしようとする心こそが、仏法の真実なのであるなあ〉
この歌での「みのり」は「御法」と書きますが、秋の「実り」とかけて選ばせていただきました。

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり10月)

芋掘りするリスと赤とんぼ、夕日を押しています。
阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

【次回の写経会は10月23日です(緊急事態宣言が京都府下に出ている場合は中止)】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和3年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり(令和2年10月より)

・毎月第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

・日時未定…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

9月のお便り(令和3年)

【今月の掲示板】

和顔愛語わげんあいご

穏やかな顔、やさしい言葉づかいを心掛けましょう

「福田寺だより9月 88号」

二河白道にがびゃくどう

早いもので9月を迎えます。秋というべき季節でしょうが、この暑さでは秋を肌で感じるにはまだのようです。またこの夏は全国的な大雨に悲惨な災害も相次ぎました。被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。

さて、総本山遊行寺では、例年9月21日~24日に「秋の開山忌」として一遍上人のご入滅を偲ぶ忌日法要が行われています(本年はコロナ禍のため22日~24日に縮小)。一遍上人が入滅されたのは8月23日ですが、これは旧暦のため、現在の暦では9月に法要が営まれます。

9月23日前後は秋のお彼岸がありますので、一遍上人ご入滅とお彼岸が同じ時期になります。お彼岸にも一遍上人にも深くかかわるものに「二河白道にがびゃくどうたとえ」があります。

二河白道とは浄土教者の信仰についての譬え話で、唐の善導大師が説かれました。要約して紹介します。

ある旅人が西へと向かって歩いていると、突如として目の前に2つの河が現れます。南は燃えさかる火の河、北は渦巻く水の河です。二河の真ん中に4,5寸ほどの白い道がありましたが、火も波も激しくとても渡りきれそうにありません。さらに振り返れば盗賊、猛獣が近寄ってきています。窮地に追い込まれ恐怖でいっぱいになりますが、どうせ死ぬならばと白道を歩もうとします。すると東岸から「真っ直ぐ進んで行きなさい」と声が聞こえ、また西岸からも「恐れずにこちらに来なさい」と声がします。後押しされ白道を歩みだし、無事に旅人は西岸へと渡れました。

以上が物語ですが、では何が譬えられているのでしょうか。まず西岸は彼岸(極楽浄土)を、東岸は此岸(この世)を表しています。次に旅人とは私たち浄土教を信仰する者であり、火の河は私たちの憎しみや怒りの心、水の河は欲にまみれる心、盗賊・猛獣は心身に伴う煩悩を表します。私たちは常々煩悩にさいなまれ、欲におぼれたり、怒りに心を燃やしたり、この世で苦しみに苦しみを重ねているのです。

この窮地に一筋の光となる道が白道です。これは極楽浄土に往生したいと願う心の譬えとされますが、一遍上人は「水火の二河は我等が心なり。二河におかされぬは名号なり」と説かれ、この白道こそ「南無阿弥陀佛」の名号であると解釈されました。また、東岸の送り出す声はお釈迦様、西岸の迎える声は阿弥陀様であり、念仏者の往生が二尊によって叶うことが示されています。

この物語は「二河白道図」という絵画で表されるようになり、信州善光寺を参詣された一遍上人もこの絵を写し取られて自らの本尊とされました。

お彼岸は太陽が真西に沈み彼岸(極楽浄土)に心をはせるのに最上とされます。煩悩の二河に堕ちることなく白道を歩みたいものです。

合掌

 

・9月限定御朱印(爽秋・300円)

爽やかで気持ちの良い秋と言う意味です。
ハンコは庭のサギソウとコスモスをモチーフにしています。

 

・令和3年9月限定御朱印(二河白道・700円)

消しゴムはんこの赤と青の彼岸花で二河を表してみました。
詳しくはお便りの法話をご覧ください。

 

令和3年9月限定御朱印(蓮華、柄付き和紙、見開き書置き800円)

9月23日が一遍上人忌ということで、一遍上人が入滅される直前に詠まれた和歌を書いています。
「南無阿弥陀 ほとけの御名(みな)の いづる息 いらば蓮(はちす)の 身とぞなるべき」
(「南無阿弥陀仏」と名号を一息一息に称える。その出た息を引き取り臨終を迎えた時こそ、極楽浄土の蓮台に往生する身となるのだ。)

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり9月)

旬の京野菜である鹿ヶ谷かぼちゃ、
月見団子が気になる猫ちゃんを押しています。
阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

【次回の写経会は9月25日です(緊急事態宣言が京都府下に出ている場合は中止)】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和3年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり(令和2年10月より)

・毎月第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

・日時未定…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

8月のお便り(令和3年)

【今月の掲示板】

「8月 87号 踊らばおどれ」

“踊らばおどれ”

本格的な夏到来となりました。7月23日に東京オリンピックがいよいよ開会し、毎日熱戦が繰り広げられています。開催までにはコロナ禍での無観客対応や、不祥事の続出などまさに五里霧中の状態で、“五輪霧中”と揶揄される事態になってしまいましたが、やはり始まってしまえば“五輪夢中”とばかりにテレビに釘付けという方も多いのではないでしょうか。様々な困難を乗り越える選手には本当に感動させられますね。

さて8月と言えば、夏休みや夏祭りのイメージを持つかと思います。この夏祭りに欠かせないのが盆踊りです。全国各地で盆踊りは行われていますが、総本山遊行ゆぎょう寺のある神奈川県藤沢市では『遊行の盆』と題された盆踊り大会が毎年盛大に行われています。会場は遊行寺を中心にして、全国三大盆踊りである「阿波あわ踊り」、「西馬音内にしもない盆踊り」、「郡上ぐじょう踊り」が披露されるなど大変にぎやかなお祭りです。「遊行」と題されているのは宗祖一遍上人(初代遊行上人)が全国に広められた「踊り念仏」が盆踊りの起源として有力だからです。

踊り念仏とは鉦や太鼓を使って音頭を取りながら唱える念仏のことです。平安時代の空也上人が始め、一遍上人が広められたといいます。「一遍聖絵」には「小田切おだぎりの里(長野県佐久市)」で念仏を唱えていた一遍上人一行が極楽往生を約束された歓喜のあまり、突発的に踊り始めたことが記されています。その後は踊り小屋と呼ばれる舞台を作り、その上で踊り念仏を行うことも多かったようです。つまり見世物のようにして人を集め、念仏の喜びを分かち合い、念仏信者を増やしていったのです。

ある時、延暦寺塔頭の重豪じゅうごうという僧侶が、一遍上人のもとにやってきて「踊りながら念仏するとはけしからん。」と申し出ました。一遍上人は「跳ねばはね 踊らばおどれ 春駒の のりの道をば 知る人ぞ知る(春の野に駆ける馬のように、跳ねたければ跳ねればよい、踊りたければ踊るがよい。仏法の道は分かる人には分かるものである)」と和歌で答えられました。それでも重豪は納得できず「心の跳ね馬(煩悩)を静めた人ならば、わざわざ踊り跳ねる必要はないであろう」という内容を和歌で返します。さらに一遍上人は「ともはねよ かくても踊れ 心ごま 弥陀の御法みのりと 聞くぞうれしき(理屈抜きに跳ねて踊りなさい。阿弥陀仏の救いは聞くだけで嬉しく体が動くではないか)」と返歌されました。この後、重豪は発心して念仏の行者になったということです。

一遍上人は常々、我執がしゅう(自らの計らい)を捨てた念仏を説かれています。この重豪とのやり取りでも、喜びのまま踊りだしているだけだと仰っています。心や煩悩を制御することではなく、計らいを捨てることを強調しておられるのです。時代が移り変わり、現在の踊り念仏は原型とは違うものになったかもしれませんが、その意味は変わることなく伝承されています。

合掌

 

・8月限定御朱印(盆会・300円)

「盆会」とは、8月の仏教行事である盂蘭盆会の略称です。ヒマワリとホオズキのハンコを押しています。

 

・令和3年8月限定御朱印(踊り念仏・700円)

踊り念仏は宗祖一遍上人が広められた念仏で、鉦をたたき、足をステップし、リズムよく念仏するのが特徴です。
また、現在全国で行われる盆踊りは、踊り念仏に影響を受けて生まれたと言われています。

 

令和3年8月限定御朱印(五輪記念、柄付き和紙、見開き書置き800円)

東京オリンピック・パラリンピックを記念して作りました。金魚は五輪カラーです。
「己に克つ者こそ最上なれ」とはお釈迦様のお言葉で、多くの敵に勝るよりも自己に打ち克つことを目標とせよ、という意味です。

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり8月)

ヒマワリと金魚を押しています。
阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

【次回の8月の写経会は中止いたします】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和3年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり(令和2年10月より)

・毎月第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

・日時未定…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

7月のお便り(令和3年)

【今月の掲示板】

 

“一日一生”

先月末に京都府下の緊急事態宣言が解除されました。ただし蔓延防止措置に移行ということなので、まだまだ油断はできませんね。当山におきましては対面での御朱印授与を再開しております。どうぞ感染対策徹底の上ご参拝いただければと思います。

さて7月7日は「七夕」として知られています。七夕は元来日本にあった盆行事の一環とされ、お盆に帰ってくる祖霊や神々を迎えるために棚づくりをして、乙女が機を織ったことから「たなばた」の読み方が当てられたという説があります。また「棚幡たなばた」とも書くように、仏教行事として祖霊を迎え、供養するための精霊棚と、幡(ばん/はた)が由来とも言われます。この行事と中国の星の伝説などが融合して現在のような七夕の世界観が生まれたということです。

「天の川に住む織姫おりひめ織女星しょくじょせい)と彦星ひこぼし牽牛星けんぎゅうせい)は愛し合いながらも天帝によって引き離されてしまい、年に一度だけは天の川を渡り、出会うことが許された」という物語は日本では最も知られたものではないでしょうか。奈良・平安時代から現代にいたるまで七夕を詠んだ和歌が様々残されており、いかにこの恋物語が日本人に共感できるものだったかが分かります。

また七夕の季節に咲くアサガオが「牽牛花けんぎゅうか」と呼ばれたことから、江戸時代には織姫と彦星の再会と重ね合わされ、アサガオの開花が吉兆とされたといいます。アサガオは基本的に咲いて一日で枯れる「一日花」ですから天の川伝説になぞらえられるのも頷けます。儚いものに強く惹かれるのは日本人の性でしょうか。これには仏教の教えも関係しています。

仏教には“ものごとは常に一瞬一瞬移り変わっている”という諸行無常の教えがあり、私たちはそれを念頭に置かなければならないと説かれます。つまり“今この時”を大事にするという教えです。

宗祖一遍上人も「ただ今の念仏の外に臨終の念仏なし」と説かれています。臨終とは亡くなる瞬間のことで、その反対の日常は平生といいます。一遍上人は、臨終で往生したければ、今念仏するがよく、平生の常々を臨終だと思って大切にすることを教えておられます。他の法語でも「生死は生まれてから死ぬまでの一期いちごを指すだけではない。一日一日、一念一念、一息一息、これもまた生死である」と日頃の心構えを示されています。(一日生死とは「朝を生となし、暮を死となす」こと)

ある先輩僧侶が「一日一生。一日を大切にして、またリセットすることが大事だ。」と教えてくださいました。その日その時を大切に日々過ごしたいものです。

合掌

 

・7月限定御朱印(300円)

「槿花一朝(きんかいっちょう)の夢」から。朝顔は一日花なので栄華の儚さにも例えられます。

 

・令和3年7月限定御朱印(天の川・700円)

朝顔の開花は天の川の星伝説と合わさり、「花が開けば織姫と彦星が再開できた証し」とも言われたそうです。
「一日一生」という言葉には「1日1日を大切に過ごす」という意味があります。また一遍上人のお言葉に「朝を生となし、暮を死となす」とあります。

 

令和3年7月限定御朱印(七夕、柄付き和紙、見開き書置き800円)

当寺開基の宗尊親王の和歌「天の河 いつかと待ちし 七夕の 行き逢ひ今日に なりにけるかな」
(天の川よ、いつかいつかと待った七夕であるが、ようやく両星が出逢う今日になったのだな)

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり7月)

カブトムシとクワガタが気になる猫&桔梗

 

【次回の写経会開催予定:7月24日(土)午後2時より】(京都府が緊急事態宣言中であれば写経会は中止いたします)

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和3年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり(令和2年10月より)

・毎月第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

・日時未定…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)