5月のお便り(令和5年・108号)

【今月の掲示板】

「人は、自分が考えた通りの人間になっていく」

ブルース・リーの言葉

 

“「お砂持ち」によせて”

爽やかな風の香りがただよう季節となりました。

先月より本堂の屋根を一部改修しています。大棟の鬼瓦が傾いていたのが発端で、今回は鬼瓦と南側の瓦の一部を新調することとなりました。鬼瓦には「文政十二年八月」の文字が彫られていました。西暦で言うと1829年、約200年前のものです。本堂は江戸期に移築されたものと考えられますので、もしかしたら建造当初より当寺を護持していた鬼瓦かもしれません。そう考えると大変有難く感じます。今月半ばには終了の予定をしておりますので、今しばらくのご不便をご容赦ください。

さて今月14日は福井県敦賀市氣比神宮で「お砂持ち」が行われます。お砂持ちは、代々遊行上人が法灯を継がれるたびに行われてきた行事で、その起源は遊行二祖他阿真教たあしんきょう上人が氣比神宮の参道を整備されたことによります。この地を訪れた真教上人は参道に沼地があり人々が困っていることを知り、自ら“もっこ”を担ぎ海浜の砂を運んで整地を手掛け、多くの人々の協力もあり見事工事を完遂されたといいます。遊行上人の代替わりで行われる行事は、晋山式の他、熊野本宮の奉告法要、神戸真光寺での御廟参拝、そしてお砂持ちしかありませんので、いかにお砂持ちが大事にされてきたかが伺えます。この度は遊行75代他阿一浄上人の登位に伴ってお砂持ちが行われます。私も実行委員としてお手伝いさせていただくこととなりました。初めての経験となりますが、無事成満となるよう努めたいと思います。

今回偶然にも当山本堂屋根修理と「お砂持ち」、ともに“工事”の話題になりました。真教上人の整備は今で言うインフラ事業ですので、規模が全く違うのはもちろんなのですが、どちらも多くの支えがあってこそと言えます。先人、ご先祖様が護りたいと力を合わせた結果、今私たちに多くの“財産”が残されていることは有難いという他ありません。お釈迦さまは「護るべきものを護り、護るべきでないものを護らない」と教えられました。護るべきものとは、社会の平和や幸福に繋がるものであり、護るべきでないものとはその逆です。それが具体的に何であるかは、私たち一人一人が考えなければならないことかと思います。次世代に有難いと思ってもらえるものを護り残したいものです。

合掌

 

令和5年5月限定御朱印(風の香・300円)

新緑の香りが気持ち良い季節になりました。
フジとツバメのスタンプを押しています。

 

令和5年5月限定御朱印(菖蒲の節句・800円)

5月5日の菖蒲の節句(端午の節句)の御朱印です。子供たちには、空高く泳ぐ鯉のぼりのように自由にたくましく成長して欲しいものです。

 

令和5年5月限定御朱印(百人一首・持統天皇・柄付き和紙、見開き書置き800円)

百人一首をモチーフにした和歌御朱印です。
「春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」
【いつの間にか春がすぎて夏がやって来たらしい。夏になると真っ白な衣が天の香具山に干されると言うのだから。】
*香具山は天から降りてきた山、天女が住まう山という伝説があります

 

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり5 月)

カーネーションと柏餅を狙うネコです。

お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和5年限定御朱印(柔和の心・1000円)

1月のお便りに書かせていただきました「柔和の心」テーマにしています。

「学べば即ち固ならず(学問をすれば自分の考えに凝り固まることがなくなる)」とは孔子『論語』の言葉です。

令和5年限定御朱印書置きの実(愛敬・1000円)

愛敬(あいぎょう)とは愛しみ、敬うことです。仏様のお顔は柔和で慈悲にあふれており、「愛敬相」といわれます。現代の「愛嬌あいきょう」や「愛想あいそ」もこの言葉から来ています。

 

【5月の写経会は27日(土)14時からです】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和5年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月8日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会・法要は2時より)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)