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6月のお便り(令和5年・109号)

【6月の写経会は24日(土)14時からです】

*写経会の詳細は こちらから

 

【今月の掲示板】

「失敗しなくちゃ成功しないわよ」

ココ・シャネル

 

“水に書いた文字”

近畿は5月29日に梅雨入りが宣言されました。平年より8日早いそうです。昨年は遅い梅雨入り、早い梅雨明けで、観測史上最短の梅雨期間だったことが思い出されます。今年はどのような梅雨になるでしょうか。

さて、6月の和風月名である「水無月」、その由来は諸説あるようですが「水の月」からきているそうです。水が無いと書くのでややこしいですが、実際は逆に梅雨で水が豊かである、もしくは田んぼに水を引く時期に当たることが由来だといわれます。

雨は生命に欠かすことができない天の恵みです。古来、雨を讃える言葉には「慈雨」「甘露の雨」「雨露の恵み」「恵みの雨」といったものがあります。甘露は仏教でもよく出てくる霊水であり、「甘露の法雨」などとお釈迦様の教えが降り注ぐことにも譬(たと)えられました。慈雨は文字のごとく慈しみ(仏教では他者に友愛の気持ちを持ち、福楽を与えることをいいます)の雨です。

仏典に水にまつわる次のようなお話があります。

この世には三種類の人――岩に刻んだ文字のような人、砂に書いた文字のような人、水に書いた文字のような人――が存在します。これは怒りや憎しみの消化の仕方、受け止め方を表しています。つまり、岩に刻んだ文字がなかなか消えないように、怒りの心が長い間治まらず執着してしまう人が一種目の人です。次に砂は書いた後しばらくは残りますが、風が吹けば消えてしまいます。怒りに対して何かのきっかけでコロッと忘れる人が二種目の人です。そして最後の水は、文字を書いたとたんに消えてしまいます。怒りがおこっても途端に心から消えていく人が三種目の人です。

怒りを長く持ち続けることは、その人に害をあたえるでしょう。また怒りだけではなく、他の感情にしても長く持ち続けることは執着に繋がり、良いとは思えません。水に書いた文字のような人というのは難しいかもしれませんが、せめて砂に書いた文字のような人で留まりたいものです。何かモヤモヤをずっと抱えてしまい苦しいという人は、一日の気分は夜寝てすっかりと忘れてしまい、また新たな一日を始めるという心持ちで過ごされてはいかがでしょうか。

合掌

 

令和5年6月限定御朱印(水無月・300円)

6月の和風月名である水無月は、京都発祥の和菓子の名前にもなっています。
1年も残り半分となる6月30日に無病息災を祈願して食べる風習があります。

 

令和5年6月限定御朱印(慈雨・800円)

慈雨は天の恵みである雨を讃える言葉です。仏教では「慈」は他者に対する友愛、福楽を与える心を指し、教えの根幹になっています。

 

令和5年6月限定御朱印(百人一首・相模・柄付き和紙、見開き書置き800円)

百人一首をモチーフにした和歌御朱印です。
「うらみわび ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそおしけれ」
【恋に破れ相手を恨んで、涙で濡れて乾かす暇もない袖さえ朽ちていくのが惜しいのに、
さらにこの恋のおかげで自分の評判も朽ちていくのが惜しいのです】

 

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり6 月)

カーネーションと柏餅を狙うネコです。

お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和5年限定御朱印(柔和の心・1000円)

1月のお便りに書かせていただきました「柔和の心」テーマにしています。

「学べば即ち固ならず(学問をすれば自分の考えに凝り固まることがなくなる)」とは孔子『論語』の言葉です。

令和5年限定御朱印書置きの実(愛敬・1000円)

愛敬(あいぎょう)とは愛しみ、敬うことです。仏様のお顔は柔和で慈悲にあふれており、「愛敬相」といわれます。現代の「愛嬌あいきょう」や「愛想あいそ」もこの言葉から来ています。

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和5年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月8日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会・法要は2時より)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

5月のお便り(令和5年・108号)

【今月の掲示板】

「人は、自分が考えた通りの人間になっていく」

ブルース・リーの言葉

 

“「お砂持ち」によせて”

爽やかな風の香りがただよう季節となりました。

先月より本堂の屋根を一部改修しています。大棟の鬼瓦が傾いていたのが発端で、今回は鬼瓦と南側の瓦の一部を新調することとなりました。鬼瓦には「文政十二年八月」の文字が彫られていました。西暦で言うと1829年、約200年前のものです。本堂は江戸期に移築されたものと考えられますので、もしかしたら建造当初より当寺を護持していた鬼瓦かもしれません。そう考えると大変有難く感じます。今月半ばには終了の予定をしておりますので、今しばらくのご不便をご容赦ください。

さて今月14日は福井県敦賀市氣比神宮で「お砂持ち」が行われます。お砂持ちは、代々遊行上人が法灯を継がれるたびに行われてきた行事で、その起源は遊行二祖他阿真教たあしんきょう上人が氣比神宮の参道を整備されたことによります。この地を訪れた真教上人は参道に沼地があり人々が困っていることを知り、自ら“もっこ”を担ぎ海浜の砂を運んで整地を手掛け、多くの人々の協力もあり見事工事を完遂されたといいます。遊行上人の代替わりで行われる行事は、晋山式の他、熊野本宮の奉告法要、神戸真光寺での御廟参拝、そしてお砂持ちしかありませんので、いかにお砂持ちが大事にされてきたかが伺えます。この度は遊行75代他阿一浄上人の登位に伴ってお砂持ちが行われます。私も実行委員としてお手伝いさせていただくこととなりました。初めての経験となりますが、無事成満となるよう努めたいと思います。

今回偶然にも当山本堂屋根修理と「お砂持ち」、ともに“工事”の話題になりました。真教上人の整備は今で言うインフラ事業ですので、規模が全く違うのはもちろんなのですが、どちらも多くの支えがあってこそと言えます。先人、ご先祖様が護りたいと力を合わせた結果、今私たちに多くの“財産”が残されていることは有難いという他ありません。お釈迦さまは「護るべきものを護り、護るべきでないものを護らない」と教えられました。護るべきものとは、社会の平和や幸福に繋がるものであり、護るべきでないものとはその逆です。それが具体的に何であるかは、私たち一人一人が考えなければならないことかと思います。次世代に有難いと思ってもらえるものを護り残したいものです。

合掌

 

令和5年5月限定御朱印(風の香・300円)

新緑の香りが気持ち良い季節になりました。
フジとツバメのスタンプを押しています。

 

令和5年5月限定御朱印(菖蒲の節句・800円)

5月5日の菖蒲の節句(端午の節句)の御朱印です。子供たちには、空高く泳ぐ鯉のぼりのように自由にたくましく成長して欲しいものです。

 

令和5年5月限定御朱印(百人一首・持統天皇・柄付き和紙、見開き書置き800円)

百人一首をモチーフにした和歌御朱印です。
「春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」
【いつの間にか春がすぎて夏がやって来たらしい。夏になると真っ白な衣が天の香具山に干されると言うのだから。】
*香具山は天から降りてきた山、天女が住まう山という伝説があります

 

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり5 月)

カーネーションと柏餅を狙うネコです。

お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和5年限定御朱印(柔和の心・1000円)

1月のお便りに書かせていただきました「柔和の心」テーマにしています。

「学べば即ち固ならず(学問をすれば自分の考えに凝り固まることがなくなる)」とは孔子『論語』の言葉です。

令和5年限定御朱印書置きの実(愛敬・1000円)

愛敬(あいぎょう)とは愛しみ、敬うことです。仏様のお顔は柔和で慈悲にあふれており、「愛敬相」といわれます。現代の「愛嬌あいきょう」や「愛想あいそ」もこの言葉から来ています。

 

【5月の写経会は27日(土)14時からです】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和5年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月8日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会・法要は2時より)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

4月のお便り(令和5年・107号)

【今月の掲示板】

「楽しまずして何の人生ぞや」

吉川英治の言葉

 

“花まつり”

暖かい日差しが気持ちの良い季節となりました。先月22日、彼岸施餓鬼法要を無事厳修いたしました。お彼岸中のご参拝ありがとうございました。

今年は桜の開花が早く、お彼岸の頃がすでに見頃になっていたのですね。京都の開花宣言は3月17日で平年より9日早く、満開は24日で11日早かったそうです。

さて4月8日はお釈迦様の生誕を祝う「灌仏会(かんぶつえ)」の日です。龍王が産湯として甘露の雨を灌いだこと(灌頂の儀式)にちなんでこのような名称があり、他にも「降誕会」「仏生会」などの名があります。また日本では桜の時期ということや、誕生の時にアショーカ(無憂樹)の花が一斉に咲き乱れたという伝承から「花まつり」という呼び方が広まっています。一般的にお寺では「誕生仏」という小さいお釈迦様の像に甘茶をかけてお祝いをします。当山でも花でお飾りした誕生仏を8日にお祀りしますのでどうぞご参拝の際には甘茶をかけていただければと思います。

お釈迦様の生誕は様々な伝承に彩られていますが、その一つが白象の入胎です。すなわちお母様であるマーヤー夫人は、6本の牙が生えた白象が天から降りてきて胎内に入ったという夢を見たといいます。この夢をきっかけにマーヤー夫人はお釈迦様を身ごもったことを知ったそうです。

インドでは賢く、運搬や戦闘でも活躍する象は、古来神聖な生き物とされ、仏教だけでなくヒンドゥー教でも大切にされました。特に白象は珍重され、現在でも仏教大国のタイでは「象法」なる法律で白象は王室に献上しなければならないという法律まであるそうです。

また6本の牙は「六波羅蜜」を表すとされます。六波羅蜜とは「布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧」6つの修行項目で、これを全て完成させて修行者はさとりを目指します。ですから6本の牙を持つ白象は、さとりを開かれるお釈迦様の化身として胎内に入ってきたと考えられているのです。

仏教の伝承には現実離れしたものも多いですが、それは言い表せないほどのお釈迦様の偉大さを後世に伝えたいという情熱の表れにも感じます。また次の機会に他の伝承もご紹介できればと思います。

合掌

 

令和5年4月限定御朱印(春らんまん・300円)

桜と桜餅がモチーフです。爛漫らんまんは花が美しく豊かに咲き乱れている様子です。

 

令和5年4月限定御朱印(花まつり・800円)

4月8日の花まつりはお釈迦様の誕生日です。お釈迦様に降り注ぐアショーカの花をイメージしています。

詳しくは4月のお便りをお読みください。

 

令和5年4月限定御朱印(百人一首伊勢大輔・柄付き和紙、見開き書置き800円)

今月から1年間、百人一首より和歌を選びモチーフにします。

「いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな」 伊勢大輔いせのたいふ

【昔、奈良平城の都で咲いていた八重桜が今日平安京の宮中で美しく咲き誇っていることだ】

 

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり4 月)

シロツメクサ、チューリップから顔を出す子猫です。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和5年限定御朱印(柔和の心・1000円)

1月のお便りに書かせていただきました「柔和の心」テーマにしています。

「学べば即ち固ならず(学問をすれば自分の考えに凝り固まることがなくなる)」とは孔子『論語』の言葉です。

令和5年限定御朱印書置きの実(愛敬・1000円)

愛敬(あいぎょう)とは愛しみ、敬うことです。仏様のお顔は柔和で慈悲にあふれており、「愛敬相」といわれます。現代の「愛嬌あいきょう」や「愛想あいそ」もこの言葉から来ています。

 

【4月の写経会は22日(土)14時からです】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和5年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月8日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会・法要は2時より)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

3月のお便り(令和5年・106号)

【今月の掲示板】

「あせらず くさらず あきらめず」

松下幸之助の言葉

3月 106号 おひなさま」 pdfファイル

 

“おひなさま”

ようやく春を感じる日も増えてきたでしょうか。今年の冬は雪が多く、寒さも厳しかったですね。冬から春へ移り変わるように、世の中も明るい話題が増えることを願っております。

さて3月3日は桃の節句、ひな祭りです。もとは古代中国の上巳じょうしの節句(三月の最初の巳の日)に川で身を清める慣習があり、それが日本に入ってくる中で変化し、人形に厄災や穢れを移して川に流すという風習になったそうです。

また、平安時代の貴族の女の子の遊びに「ひいな遊び」という人形遊びがあり、これと人形への厄移しが合わさり、現代のようなひな祭りが行われるようになりました。今では人形を川に流すことはあまりないかとは思いますが、よく言われる「お雛様は早く片付けなければ良くない」という俗信には、「厄、穢れが移ったものは早く片付けたほうがよい」という根拠があるのです。

日本には古代から土偶や埴輪といった精霊を宿す形代が存在し、人間の身代わりとされてきました。かつては乳児の死亡率は大変高かったとことから、子供の無事成長を願って人形に身代わりをしてもらうという風習もうなずけます。

仏教にも「代受苦だいじゅく」ということばがあります。仏や菩薩が困難に遭う衆生に対して、慈悲の心をもって苦しみを代わりに受けることをいい、特に地蔵菩薩は代受苦の仏さまとして知られます。仏道は仏さまの姿をまねぶ(真似をして学ぶ)ことでもありますから、理想のお姿としたいものです。

他人の苦しみを全て引き受けるというのは、凡夫の私たちには難しいことかと思いますが、寄り添うことはできるのではないでしょうか。私も時々お寺で困りごとの話をお受けすることがありますが、話を聞いて共感するだけでも相手の表情が明るくなるということがあります。実はアドバイスを求めているのではなく、聞いてほしいだけ、少し背中を押してほしいだけということも多いのですね。これはケア行為のひとつである「傾聴けいちょう」の研修会で学んだことでもあります。相手の意見を否定しないということが寄り添うことの第一歩かと思います。

合掌

 

令和5年3月限定御朱印(山笑う・300円)

山笑うとは、春が訪れ、山が芽吹きや開花を迎える様子をいいます。
右下はフキノトウです。

 

令和5年3月限定御朱印(桃の節句・800円)

3月3日の桃の節句、ひな祭りをモチーフに、立雛と飾り雛の消しゴムはんこを押しています。

 

令和5年3月限定御朱印(春彼岸・宗尊親王和歌、柄付き和紙、見開き書置き800円)

今月がこの和歌のシリーズは最後となります。1年間お付き合いありがとうございました。今回、阿弥陀様を讃える和歌で締めたいと思います。

「世に超ゆる 仏の誓ひ 聞くたびに うれしき袖は 涙余りて」
【三世を超越する阿弥陀仏の誓願(衆生救済を誓った48の誓い)を聞くたびに、嬉しさで袖は涙が余るのであって】

 

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり3 月)

鞠と鈴、春の温もりを感じている猫です
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和5年限定御朱印(柔和の心・1000円)

1月のお便りに書かせていただきました「柔和の心」テーマにしています。

「学べば即ち固ならず(学問をすれば自分の考えに凝り固まることがなくなる)」とは孔子『論語』の言葉です。

令和5年限定御朱印書置きの実(愛敬・1000円)

愛敬(あいぎょう)とは愛しみ、敬うことです。仏様のお顔は柔和で慈悲にあふれており、「愛敬相」といわれます。現代の「愛嬌あいきょう」や「愛想あいそ」もこの言葉から来ています。

 

【3月の写経会は25日(土)14時からです】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和5年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月8日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

2月のお便り(令和5年・105号)

【今月の掲示板】

「人は常に幸福を求めるが、常に幸福に気付かない」 ルソーの言葉

 

2月 105号 お釈迦様の形見」 pdfファイル

 

“お釈迦様の形見”

厳しい冷え込みが続きますね。先月24日には京都市内も大雪が降り、幹線道路も真っ白、列車の立ち往生も起こるなど、大きな被害が出ました。私自身、長岡京光明寺での法然上人追慕法要への参列が急遽取りやめになるということもありました。

またコロナだけでなくインフルエンザも流行しているようです。人ごみに出かけない、体調を整える等、一層の用心をしなければなりませんね。

さて、文永9年(1272)2月17日は当寺を開いた宗尊むねたか親王の父親である後嵯峨天皇が崩御された日です。宗尊親王は後嵯峨天皇の寵愛を受けるも、11歳で鎌倉に下り、第6代鎌倉幕府将軍となりました。帰京後、31歳で出家されましたが、それは後嵯峨天皇の崩御を弔うためでした。その後の心情を和歌に残されています。

「朝夕に 面影映す 鏡こそ 別れし君が 形見なりけれ」

(朝夕に父帝ちちみかどの面影を映す鏡こそが形見なのだなあ)

「梅がは 四方に霞みて ありし世の 形見がほなる 春の空かな」

(梅の枝が四方に霞んでおり、父帝が在世の頃の形見のような春の空であることよ)

この二首は父帝である後嵯峨天皇を思慕する和歌です。皆様も同様の経験はないでしょうか。鏡を見たり、ある風景や物を見たりして父母や祖父母を思い出す時、姿かたちはなくとも、そこには確かに故人が現れるのです。

かつてお釈迦様は、自身の死期を悟った際、涅槃に入る前に弟子たちに「自灯明・法灯明」の教えを残されました。お釈迦様自身が亡くなった後、動揺が広がることを見越して、「他に依らず自らを灯明(拠り所)とし、他に依らず法(教え)を拠り所としなさい」と説かれたのです。お釈迦様が入滅されてから2000年以上、仏教は今日まで社会の変化に合わせ、人々の悩みに応じて大きく変容してきました。ただし、そこに「法(お釈迦様の教え)」に準じるという姿勢があったからこそ「仏教」の形を留めているのだと思います。

宗孝親王が詠まれた「形見」は、お釈迦様の「灯明」に通じるのではないでしょうか。今私たちが生きていくため、難題を乗り越えていくための拠り所は、自分自身の中にあるはずなのです。

合掌

 

令和5年2月限定御朱印(観梅・300円)

観梅とは梅の花を観賞することで、梅見とも言います。当寺境内の梅も咲き始めております。どうぞご覧ください。

 

令和5年2月限定御朱印(涅槃・800円)

2月15日の涅槃会がモチーフです。涅槃とはさとりの境地であり、お釈迦様は入滅により完全なさとりに入られたのです。滅後はその足跡、教えを表す仏足石が信仰の対象となりました。
入滅の前に弟子たちに「法に依って人に依らざれ(教えを頼りとするのであって、人を頼りとすることのないように)という教えを残されました。

 

令和5年2月限定御朱印(形見・宗尊親王和歌、柄付き和紙、見開き書置き800円)

「宗尊親王和歌シリーズ」です。親王像の絵は御奉納いただいたものを参考にしています。宗尊親王は当山の開基(創建者)です。史上初の皇族将軍として鎌倉幕府6代将軍に就き、その後更迭されるなど波乱に満ちたご生涯を過ごされました。和歌に非常に長けられ多くの作品を残されました。

「朝夕に 面影映す 鏡こそ 別れし君が 形見なりけれ」
解釈: 朝夕に父(後嵯峨天皇)の面影を映す鏡こそが形見なのだなあ

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり2 月)

福升に入る兎と鬼役の猫です。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和5年限定御朱印(柔和の心・1000円)

1月のお便りに書かせていただきました「柔和の心」テーマにしています。

「学べば即ち固ならず(学問をすれば自分の考えに凝り固まることがなくなる)」とは孔子『論語』の言葉です。

令和5年限定御朱印書置きの実(愛敬・1000円)

愛敬(あいぎょう)とは愛しみ、敬うことです。仏様のお顔は柔和で慈悲にあふれており、「愛敬相」といわれます。現代の「愛嬌あいきょう」や「愛想あいそ」もこの言葉から来ています。

 

【2月の写経会は25日(土)14時からです】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和5年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月8日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

1月のお便り(令和5年・104号)

【今月の掲示板】

「1月 104号 卯年に寄せて」 pdfファイル

“卯年に寄せて”

明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、皆々様の安穏を心よりご祈念申し上げます。

私事ですが昨年12月3日に長女が誕生いたしました。妻の妊娠中よりたくさんのお祝いのお言葉を頂戴いたしました。改めて感謝申し上げ、ご報告させていただきます。

さて、今年の干支はウサギですね。私が小学生の頃、ペットとしてウサギを飼っていた友達がいました。穏やかで優しい顔つきで、キャベツを食べる姿が可愛くてずっと眺めていたのを覚えています。柔和で温厚というイメージです。

実は「柔和」は仏教用語として使われます。宗祖一遍上人の語録にも「もっぱら柔和にゅうわおもてを備えて、瞋恚しんにの相を表すことなかれ(柔らかく穏やかな顔つきで、怒りや憎しみの表情を見せないようにしなさい)」とのお言葉があるように、仏教者の大事にしなければならない姿勢でもあります。

もちろん表情だけでなく心も柔和でありたいものです。柔軟という言葉がありますが、これを仏教では「にゅうなん」と読みます。単に穏やかで優しいという意味ではありません。仏様の教えを柔らかな心で受け止め、素直に従うという意味があります。心がカチコチでは他の考えを受け取れません。例えば、同じ話を聞いた人でも「いや、こうあるべきだ」と頭から否定する人と「なるほど一理ある」と受け止める人では、結果や過程は違ってきます。何でもかんでも人の言うことを聞くということではなく、まずは柔軟に受け取って、それでいて自らの考えを巡らせばよいのです。同様の意味では、『論語』の「学べばすなわならず(学問をすれば自分の考えに凝り固まることがなくなる)」もまさに柔軟性を説いた格言と言えます。

大人になると柔軟な思考や、素直に受け止めるというのが簡単そうで難しいものです。“自分”というしがらみにとらわれてしまうからです。仏教は「無我」の教えですから、そのような“自分”は無いのだ、自由でいいのだと教えてくれます。私もなかなか実践できていませんが、柔和な心を目指して今年一年精進したいと思います。

合掌

 

令和5年1月限定御朱印(初明り・300円)

「初明り」とは元日の朝に空がぼんやりと光ることをいいます。

新年に平和と希望の光が差すことを願います。

 

令和5年1月限定御朱印(飛躍・800円)

跳躍するウサギをイメージして言葉は「飛躍」としました。

「兎の登り坂」は、後ろ脚が長いうさぎが坂道が得意なことから、「得意な分野で持ち前の力を発揮して物事がうまく進む」という意味のことわざです。

 

写経奉納限定御朱印(500円・月替わり1 月)

羽子板とコタツから出られないネコです。
お写経を納め、阿弥陀様から「みました」の証を頂いてください。

 

令和5年限定御朱印(柔和の心・1000円)

1月のお便りに書かせていただきました「柔和の心」テーマにしています。

「学べば即ち固ならず(学問をすれば自分の考えに凝り固まることがなくなる)」とは孔子『論語』の言葉です。

令和5年限定御朱印書置きの実(愛敬・1000円)

愛敬(あいぎょう)とは愛しみ、敬うことです。仏様のお顔は柔和で慈悲にあふれており、「愛敬相」といわれます。現代の「愛嬌あいきょう」や「愛想あいそ」もこの言葉から来ています。

 

【1月の写経会は28日(土)14時からです】

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和5年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり

・毎月第4土曜日14時~17時写経会

・1月8日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・4月8日…花まつり(釈尊降誕会)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

12月のお便り(令和2年)

【今月の掲示板】

恩に報い 徳に謝す

12月8日はお釈迦様のおさとりを記念する日として知られています。
仏教を開き伝え、お念仏の教えを広められたことへの「報恩謝徳(恩徳に感謝し報いること)」の思いを致す日でもあります。

 

「福田寺だより」12月 79号(PDF)

 

 

 

 

“報恩と供養”

今年も様々な出来事がありましたが、やはり新型コロナウイルスによる苦境が本年の象徴と言えましょう。しかもこれは現在進行形であり、来年以降の予想もまるでつかない未曾有の事態となっています。危機に当たっては右往左往してしまうのが私たち凡夫ぼんぷです。

「とにかくに 心は迷ふものなれば 南無阿弥陀仏ぞ 西へゆく道 (宗祖一遍上人)」

阿弥陀様のみ光は私たちが行くべき道を常に照らしてくださいます。

 

さて、12月8日はお釈迦様がさとりを開かれた記念日として知られています。今日まで続く仏教を開き伝えられたこと、お念仏の教えを広められたことへの「報恩謝徳(恩徳に感謝し報いようとすること)」の思いを致す日でもあります。

お釈迦様はさとりを開かれるまで6年に及ぶ苦行をされていました。それは激しいもので、断食行に打ち込んだ体は骨と皮だけになってしまったといいます。しかし、この苦行では決してさとりを開くことができないと気付かれました。

苦行をやめ、ナイランジャナー河で身を清めたお釈迦様のもとにスジャータという村娘が偶然通りかかり、持っていた乳(ちち)粥(がゆ)を供養しました。これを食したお釈迦様は精気を養い、菩提樹の下で深い瞑想に入り、遂にさとりに至られたのです。ですからこのスジャータの供養には大変な功徳があるとお釈迦様自身が言われました。

ところでこの「供養」とはなんでしょう。日本では死者への弔いとして物品を捧げること、お経をあげることというイメージが強いかと思います。もともと供養とはサンスクリット語でプージャーといい、“仏や神々に対し尊敬、敬意の念をもって食物や香華灯明などを捧げること”の意味があります。ここから二種供養、三種供養と分ける考え方が生まれ、大まかにいえば物品を供える供養、修行や説法を行う供養、つまり物心両面の供養が説かれました。さらに供養は死者への弔い(追善供養)、鎮魂へと広がり、ひいては人形供養や針供養など生命以外への供養へと展開していったのです。

供養と似ている言葉に「布施」があり、こちらも施し与えることという意味あります。他者への施しもやはり物だけでなく心遣いも重要とされます。“してあげている”のではなく“させていただいている”という考え方が基本で、施していると同時に自身の修養をさせていただいているのです。同様に「供養」もお供えしていると同時に自らが養われているとも言えます。本堂やお墓で拝んでいると拝まれている気持ちになったという方は少なくないはずです。

大事なことは真心を持つことで、「供養」も「布施」も根底にあるのは“相手に喜んでもらうこと”かと思います。亡くなった方への追善供養というと難しく考えがちですが、「お経を読んでもらったら嬉しいかな」「私たちが幸せに生きているのが一番喜んでくれるかな」「恩返しがしたいな」などと想いを巡らせ実行することが身近な供養であり、そこに追善供養の意義があるかと思います。

合掌

 

【次回の写経会開催予定:12月26日午後2時より】

*写経会の詳細は こちらから

 

12月限定御朱印「成道:じょうどう」

御朱印のモチーフは、お釈迦様に村娘のスジャータが乳粥を供養している場面です。

中心の「法輪」は仏教のシンボルマークと言えるもので、車輪が転がる様に仏法が広がることを表しています

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和2年)

・1月12日…総代会

・2月15日14時…🈠フラワーアレンジメント教室

【参加費1,000円、申込締切1/31、持物/花切はさみ(あれば)】

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

4月頃~…京都時宗寺院御朱印めぐり *開始延期→10月1日より開始決定

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

11月のお便り(令和2年)

今月の掲示板

【今月の掲示板】

身をかんずれば水の泡 消えぬるのちは人もなし

命を思へば月の影 いでいる息にぞとどまらぬ

 

人間とは、消えてしまえば大河にとけ込む水の泡のようにはかない存在である。命は刻一刻と姿を変える月のようであり、吸っては吐く一息一息もいつ止まるか分からず永遠不変ではない。

 

「福田寺だより」11月 78号(PDF)

 

善悪ぜんなくを説かず”

10月1日より始まりました「京都時宗道場御朱印巡り」は想像以上の反響で、専用の御朱印帳(遊行帳)を持って度々お参りの方が来られています。“檀家でも知らないお寺が多かった”、“時宗という宗派を知るきっかけとなった”、“今まで何となく近寄りがたかったお寺にも参拝できた”という喜びの声も多く聞かれ、こちらも嬉しい気持ちになります。個人的には広報担当の役割を頂きましたので、より良いものを目指しながら、多くの方々とご縁を結べるように努めたいと思っております。
また、お陰様で9月、10月の写経会にはそれぞれ十数名のご参加がありました。経文は写経で一般的な「般若心経」のほか、時宗でもお読みする『無量寿経むりょうじゅきょう』の一節「四誓偈しせいげ」、短いながらお釈迦様の威徳が説かれた「舎利礼文しゃりらいもん(舎利経)」を当初ご用意しました。さらに先月は宗祖一遍上人の作である「誓願偈文せいがんげもん」も新たに写経の題材としました。
この「誓願偈文」は「発願文ほつがんもん」と呼ばれたり、宗派内では冒頭の部分から「我が弟子等」と呼ばれたりします。日用勤行式にも入っており一遍上人のお言葉として最も身近であると思い選ばせていただきました。「誓願偈文」の誓願とは、神仏に対して誓いや願いを述べたものを言い、弘安9年(1286)、一遍上人が48歳のときに当麻たいま寺(奈良県葛城市当麻)に参詣された折に書かれたといいます。もとは漢文で4字33句(こういった詩句を偈頌、偈文といいます)から成っていますが、普段の勤行では和文にしてお読みします。
内容は念仏の行者の日頃の心構え、名号「南無阿弥陀仏」に帰依する誓い、阿弥陀様や諸仏諸菩薩からの守護、そして極楽往生への願いです。この中に「善悪を説かず、善悪を行ぜず(不説善悪 不行善悪)」という句があります。日常、私たちは法律や社会のルールなどを基準に善や悪、正しさや過ちを考えます。ただし、この価値観は絶対的なものではありません。時代により善悪の判断は変わりますし、もっと身近なことで言えば“良かれと思ってしたことが迷惑だった”などという話はよくあります。つまり凡夫である私たちの「善悪」の判断は必要ながらも絶対ではないということです。本当の正しさというのは仏様の立場でしか分かりません。ですから一遍上人は「人の行為について必要以上に善悪を説くことなく、自らの行為に必要以上に善悪の基準を持ち込まない」、とおっしゃられたのではないかと私は思います。ともかくに自分自身が凡夫であることを自覚し、念仏をお唱えすることが肝要であり、その時にこそ図らずも私たちが日頃作ってしまう罪障は取り除かれるのです。

合掌

 

【次回の写経会開催予定:11月28日午後2時より】

*写経会の詳細は こちらから

 

11月限定御朱印

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和2年)

・1月12日…総代会

・2月15日14時…🈠フラワーアレンジメント教室

【参加費1,000円、申込締切1/31、持物/花切はさみ(あれば)】

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

4月頃~…京都時宗寺院御朱印めぐり *開始延期→10月1日より開始決定

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

10月のお便り(令和2年)

今月の掲示板

「福田寺だより」10月 77号(PDF)

 

“仏教の豊かさ”

草木の葉が日ごとに彩りを変えていきます。秋は「実りの秋」、「豊穣の秋」とも申しますが、穀物や果物の収穫によって人々が“豊かさ”を実感する季節だということでしょう。

この豊かさは「幸福度」とも言い換えることができるかと思います。国連が毎年発表している「世界幸福度ランキング」で日本は156ヶ国中62位でした。「人口あたりのGDP・社会支援の充実度・健康寿命・人生における選択の自由度・社会における寛容度・腐敗に関する認識度」の6つ項目でランキングされるということですが、日本は決して上位ではなくむしろ先進国では最低レベルなのです。6項目のうち後半の3項目で精彩を欠いたようですが、これにはなんとなく納得できる部分もあるかと思います。

また大人に限ったことではなく、先月、7年ぶりに実施された国連児童基金(ユニセフ)の子供の幸福度調査において、日本は先進国38ヶ国中20位という結果でした。体の健康の分野では1位となる一方、精神的な幸福度は37位となっており顕著な差が見て取れます。

この調査を全面的に真に受ける訳ではありませんが、それでもやはり“豊かさ”への課題はまだまだあるということでしょう。豊かさには物質的なもの、精神的なものの2つがあるかと思います。仏教ではこのうち精神面の豊かさを上位に置きます。もちろんお金や、食べ物なども必要不可欠ではありますが、物質的なものは外からの影響も強く、幸福も不安定かつ一時的なものです。また、つい人は物質的な幸福を得るとさらに欲望を高め、必要以上、際限のない欲望を出してしまいがちです。これを三大煩悩のうちの貪欲といいます。満たされなければストレスは増大し、外との不和にも繋がります。

精神的な豊かさというものは自分の内側から来るものです。先ほどの物質的な幸福が外から与えられるものであるならば、精神的な幸福は内側から与えるものであるかと思います。他者に利益をもたらすことで自分も幸福になるということです。この限られた世界で、分かち合い、共に生きるという精神は自他共に幸福を得られる鍵となりましょう。仏教で最高の境地である涅槃(覚り)はこの精神の充足が欠かせません。

仏教エピソードの一つとして「4人の妻を持つ男」というお話があります。ある男には4人の妻がおり、第1から第3夫人は日頃可愛がったり大切にしたりしていたのに、男の旅立ちにはついてきてはくれず、大事にしていなかった第4夫人だけが旅の付添いを申し出てくれ、この第4夫人の有難みに気づくという内容です。ここで第1、第2、第3夫人に喩えられているのは肉体・財産・家族(親族)で、旅立ちとは「死」のことです。肉体や財産などはいくら大事にしていてもあの世にもっていくことはできません。そして第4夫人とは心や生前の行いを指します。心は死に帰するにも付随し、生前の行いは遺された人々へも影響を与えます。

“気づくのが遅かった”とならないようにしたいものです。

合掌

 

【次回の写経会開催予定:10月24日午後2時より】

*写経会の詳細は こちらから

*今月から「京都時宗道場御朱印巡り」が始まります*

 

10月限定御朱印


年間行事予定

・1月12日…総代会

・2月15日14時…🈠フラワーアレンジメント教室

【参加費1,000円、申込締切1/31、持物/花切はさみ(あれば)】

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

4月頃~…京都時宗寺院御朱印めぐり *開始延期→10月1日より開始決定

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

9月のお便り(令和2年)

今月の掲示板

「福田寺だより」9月 76号(PDF)

 

“お布施のはなし”

今年のお盆は新型コロナウイルスの対策のためマスクをして棚経を回りました。また、棚経やお墓参りを遠慮して、本堂での回向をお願いしますとおっしゃる方も少なくなく、まさに特別な夏というものを感じました。一刻も早い終息を願うばかりですが、このような事態に際し私たちも正しく恐れ、正しく行動しなければなりません。仏教でいう「中道ちゅうどう」の実践です。

お釈迦様は“琴の弦”にたとえて次のように中道を説明されました。根を詰めて激しい修行するも結果が得られず、焦っている修行僧に対し、

「琴は弦を張りすぎても緩めすぎてもよい音はならない。修行も同じことだ」と説かれたのです。

中道とは片一方に偏らず、両極端の調和を目指す姿勢だと考えられます。話を戻すと、今現在大切なことはウイルスへの警戒感をもって行動し、しかしそこに執着しないようにするということでしょう(執着は他人への批判ばかりに目がいったり、罹患者への差別に繋がったりしかねません)。

さて、今月は例年の通り秋の彼岸施餓鬼会を行います。このような状況ですから是非本堂におあがりくださいとは申せませんが、ご先祖様や生きとし生けるもの全てへの供養を行う大事な法要であることは変わりありません。この彼岸とは“あちらの世界”、つまり覚りの世界をいいます。浄土のご先祖様に思いをはせつつ、自らも修行として「六波羅蜜ろくはらみつ」の実践を心掛けるのがお彼岸の意義と言えましょう。

去年のお彼岸のお便りに六波羅蜜のひとつである「忍辱にんにく(自らのために耐え忍ぶこと)」について書かせていただきました。今回は「布施」をご紹介します。布施は六波羅蜜のうち最も重要とされる修行です。どうしても「お布施」が思い浮かび、お寺や僧侶に渡すお金のことかと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

布施はインドの言葉で「ダーナ」といい、意味は“施し与えること”です。漢字では「檀那」と当てられます(ここから関連して菩提寺へ布施する家を檀家と呼びます)。具体的には「金品を施すこと(財施)」「仏様の教えを説くこと(法施)」「災難に遭った人の恐怖心を取り除くこと(無畏施)」が挙げられます。

また「無財の七施(しちせ)」という教えもあり、他者に対しての「優しいまなざし」や「笑顔」、「柔らかな言葉遣い」「座る場所を譲ること」なども布施の一つとして説かれています。そして、ここで大切なことは施しや親切に“見返りを求めない”ということです。「自分が何かをしてあげた、親切にしてあげたから見返りが少しはあるだろう」と考えるのは布施ではありません。させていただいたことに感謝するのが道理で、何か返してくれというのは自分勝手ではないでしょうか。

お釈迦様は“誰に、何を施したか”を忘れなさい、さらに自分が布施したということも忘れなさい、とおっしゃっています。布施という善行は、一つから雪だるま式に10倍、100倍、1000倍の功徳が生まれるといわれますから、相手にこだわる必要はないのです。布施する人、される人、共に感謝の心を持つことが大事と言えましょう。

合掌

 

【次回の写経会開催予定:9月26日午後2時より】

*写経会の詳細は こちらから

9月限定御朱印(300円)


年間行事予定

・1月12日…総代会

・2月15日14時…🈠フラワーアレンジメント教室

【参加費1,000円、申込締切1/31、持物/花切はさみ(あれば)】

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

・第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

4月頃~…京都時宗寺院御朱印めぐり *開始延期→10月1日より開始決定

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)