タグ: 降誕会

4月のお便り(令和3年)

【今月の掲示板】

「4月 83号 天上天下唯我独尊」(PDF)

天上天下唯我独尊てんじょうてんげゆいがどくそん

今年は2月、3月の平均気温が高かったこともあってか桜の開花が早かったようです。桜の開花には春の温かい気温だけでなく、秋冬の厳しい寒さも必要だそうです。私たちもコロナ禍で厳しい時勢を過ごしておりますが、終息を信じ乗り越えていきたいものです。

さて4月8日はお釈迦様の生誕を祝う「灌仏会(かんぶつえ)」の日です。龍王が産湯として甘露の雨をそそいだこと(灌頂かんじょうの儀式)にちなんでこのような名称があり、他にも「降誕会(ごうたんえ)」「仏生会(ぶっしょうえ)」などの名があります。また日本では桜の時期ということや、誕生の時にアショーカ(無憂樹)の花が一斉に咲き乱れたという伝承から「花まつり」という呼び方が広まっています。一般的にお寺では「誕生仏」という小さいお釈迦様の像に甘茶をかけてお祝いをします。福田寺でも花でお飾りした「誕生仏」を8日にお祀りしますのでどうぞご参詣いただければと思います。

お釈迦様は生まれてすぐに七歩歩み「天上天下唯我独尊」と宣言されたという伝説があります。この「七歩の歩み」については去年のお便りで“お釈迦様が六道輪廻の苦しみを超越する存在であることを表している”と解説させていただきました。では「天上天下唯我独尊」とはどのような意味でしょうか。

「七歩の歩み」と同様にこれらの表現の裏には意図があるかと思います。生まれたばかりの赤ちゃんが歩いて言葉を発するのは現実的ではないからです。だからといってただお釈迦様を神格化するためだけの空想というのでは味わいがありません。

「天上天下唯我独尊」の宣言をそのまま読めば“この世において、私が唯一の尊い存在である”という意味になります。特に「唯我独尊」の部分は辞書でも傲慢やうぬぼれといった意味で用いられることがありますが、もちろん誤った使い方です。お釈迦様の生涯はもとより数多くの伝承で彩られています。それは伝記を作成した人々が崇敬の念をもってお釈迦様を後世に伝えているからに他なりません。南方系の経典にはこの宣言の後に「これが最後の生まれ変わりである」とあります。つまり伝記の作者はお釈迦様が「仏陀(さとりを開いた人)」となり輪廻転生の苦しみから解脱されたことへの感動、崇敬をこの誕生の宣言に託しているのです。

また原意からは外れますが「唯我独尊」の“我”をお釈迦様ではなく一人一人の人間だと考える読み替えもあります。人間の絶対的な尊厳を表す言葉としてとらえるのです。「誰かと比べる必要はない。この世にあなたはただ一人、何も持たずとも尊いのである」というメッセージは現代の私たちに大切な気付きを与えてくれるのではないでしょうか。

ふと時宗月訓カレンダーを見ると、4月の言葉は「あなたはあなたであればいい」でした。

合掌

令和3年4月限定御朱印(見開き)

 

令和3年4月限定御朱印

 

写経奉納限定御朱印(月替わり4月)

【次回の写経会開催予定:4月24日午後2時より】(京都府が緊急事態宣言中であれば写経会は中止いたします)

*写経会の詳細は こちらから

 

 

>「京都時宗道場御朱印巡り」

 


年間行事予定(令和3年)

・通年…京都時宗寺院御朱印めぐり(令和2年10月より)

・毎月第4土曜日14時~17時写経会(令和2年7月より)

・日時未定…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

5月のお便り

 

「福田寺だより」令和元年5月第60号(PDFファイル)

 

“今年は2562年?”

いよいよ令和の時代の始まりとなりました。世間の空気感は具体的なものではありませんが、何かを期待する様子ではないでしょうか。それだけ日本には平和の裏に隠れた課題も多いということでしょう。

また「時宗」にとっても令和元年は特別な「二祖真教上人七百年御遠忌」厳修の年でもあります。時宗教団確立の功労者である他阿真教上人のご功績を知ることで、さらに念仏信仰を深めていただければ何よりです。

さて、元号を使う和暦やイエス・キリストの生誕日をもとにした西暦のほかに、「仏暦(仏滅紀元)」があるというのをご存知でしょうか。その名前の通り、仏教としての暦であり、お釈迦様の亡くなられた年を基準に作られています。西暦と違って仏暦が亡くなった年を基準とするのは、仏教では死は忌み嫌うものではなく、“必ずやってくるもの”と捉えるためです。とりわけ、お釈迦様の場合は死をもって完全な涅槃(さとりの世界)に入ったとも考えられています。

お釈迦様の亡くなられた年といっても確定ではなく、さまざまな説があります。仏暦を使用している東南アジアの国でも、ミャンマーやスリランカでは入滅の年を紀元前544年、その年を仏暦元年としているのに対し、タイやカンボジアでは、入滅の翌年、紀元前543年を仏暦元年としています。インドのゼロの概念を考えれば入滅の年が仏暦0年なのでしょうか。日本にも数え年、満年齢という考え方があるので似たようなものなのかとも思います。

インドから東南アジアへ伝わった仏教は南伝仏教といわれ、中国、朝鮮半島、日本へ伝わった北伝仏教とは少し毛色が違います。お釈迦様が亡くなられて約百年後に、教団内で戒律をめぐって軋轢が生じ、保守系の上座部と革新的な大衆部の2つの部派に分かれてしまったからです。これは根本分裂と呼ばれ、簡単に言ってしまえば、南伝(上座部系)と北伝(大衆部系)はその時の2つの流れを汲んでいるといえます。大衆部の起こりは、大乗仏教というさらに大きな革新を生み、中国、日本と思想が開花し、今日に至っています。ちなみに北伝仏教ではお釈迦様の生没年を紀元前566年~紀元前486年や紀元前463年~紀元前383年とする説などがあります。

暦の話に戻ると、日本でも全日本仏教会は1994年に世界的に普及しているタイの仏暦を使用し始めました。ですから、今年2019年は仏暦2562年ということになります。西暦から仏暦の年数変換は簡単で、西暦にプラス543年すればよいだけ。覚えかたは543(こよみ)です。仏教徒として覚えておいて損はないのではないでしょうか。

 合掌

「踊り念仏」

先月28日(日)、京都国立博物館にて講演「時宗の声明と踊躍念仏」が行われました。なんと、整理券配布の2時間前から行列ができ、200名の定員はあっという間に埋まってしまいました。私も、まずそんな事態になるとは思っていなかったので、当日見に来られて、整理券を受け取れなかったお檀家様には大変申し訳ない思いです。「朝日新聞デジタル」に動画が配信されていますのでご覧いただける方はぜひどうぞ。踊りというよりは、能のような静かな足踏みが中心です。一遍上人の和讃と合わせて独特の世界が演出されています。

 

年間行事予定

・1月13日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

4月13日11時30分…副住職結婚式

4月13日~6月9日…御遠忌特別展「国宝一遍聖絵と時宗の名宝」(京都国立博物館)

↑当山の御本尊阿弥陀如来像が5月14日~6月9日まで出陳されます!

5月26~28日…総本山団体参拝(京都の時宗寺院合同/ご希望の方に詳細をご案内します)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

4月のお便り

今月の言葉

仏の正覚しょうがく我等凡夫われらぼんぷの為なりき」

二祖 他阿真教上人

 

【解釈:仏様が覚りを開かれたのは、私たちに覚り・救済の道を示すためである】

「福田寺だより」平成31年4月第59号(PDFファイル)

 

“7歩の歩み”

春の彼岸会中、たくさんの方にお参りいただき、誠にありがとうございます。22日の施餓鬼法要も24名の方が本堂に上がられ、ご回向なされました。日常から離れ、静かに仏様と向き合う時間は非常に貴重なものではないでしょうか。

さて4月8日は、お釈迦様の誕生日として広く知られ、行事としては花まつり・降誕会・灌仏会などと呼ばれます。仏伝によると、お釈迦様は生まれてすぐに7歩、歩きだし「天上天下唯我独尊」(この世で最も尊い存在が仏陀である)と宣言されたとあります。ただしこのセリフの方は、後世になってお釈迦様の尊さを表現した仏弟子のセリフが、お釈迦様の言葉として伝わってしまったと見られています。

では7歩の歩みはどうでしょう。生まれたての赤ちゃんが歩くというのは常識的には考えられませんね。だからといって与太話として片付けてはそれまでです。これはあくまでたとえ話と考えてみてください。

まず、仏教の世界観の一つに六道があります。六道とは六界とも言い、6つの世界のことで、地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道を指します。この六道に住む生命は衆生と呼ばれ、私たちは人道に属しているということになります。衆生は生死によってこの六道を輪廻するので、六道輪廻あるいは輪廻転生という言葉が使われます。六道はいずれも苦しみを生む世界ですので、お釈迦様が目指されたのは輪廻からの解脱でした。

「7歩の歩み」に戻りますが、この7は6の一つ上の数ということで、六道から一歩抜け出すことを表現しています。つまりお釈迦様が7歩歩み六道から解脱されたように、私たちも六道をぐるぐると廻らずに、1歩抜け出しなさいと示されているのです。そしてこの六道もまた私たちの心の変化を表していると考えると、お釈迦様の歩みも違った見方になってくるのではないでしょうか。

仏様の教えは言葉だけでは伝わりづらく、また言葉だけで分かったつもりになってはいけないという観点から比喩表現が多く使われます。仏伝やお経を読むときには、その本質を読み取ろうとする姿勢が大事なのでしょう。

 合掌

 

年間行事予定

・1月13日…総代会

・3月22日14時…春季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)

4月13日11時30分…副住職結婚式

4月13日~6月9日…御遠忌特別展「国宝一遍聖絵と時宗の名宝」(京都国立博物館)

↑当山の御本尊阿弥陀如来像が5月14日~6月9日まで出陳されます!

5月26~28日…総本山団体参拝(京都の時宗寺院合同/ご希望の方に詳細をご案内します)

9月22日14時…秋季彼岸施餓鬼法要(加薬ご飯弁当のお振舞いをします)